2024年03月29日( 金 )

【熊本】城下町の面影残す中心市街地、九州第3位・熊本市の今昔――(3)

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九州の中心都市としての栄華

天守閣の復旧工事が完了した熊本城。だが、崩れた石垣など、完全復旧にはまだ時間を要する
天守閣の復旧工事が完了した熊本城。
だが、崩れた石垣など、完全復旧にはまだ時間を要する

 明治期に入ると、1871(明治4)年7月の廃藩置県により、熊本藩は「熊本県」となった。このときの熊本県は、熊本城下町を含む飽田・託麻郡および玉名・山鹿・山本・合志・菊池・阿蘇・上益城郡の9郡だった。翌72年6月には熊本県が「白川県」へと改称し、73年1月には白川県が八代県(現在の熊本県南部エリア)を合併。その後、75年11月の熊本城への県庁移転を経て、76年2月に白川県が再び「熊本県」となった。これが、現在の熊本県のベースとなっている。

 71年8月には「鎮西鎮台」が熊本に置かれた。鎮台とは日本陸軍の編成単位であり、常設されるものとしては最大の部隊単位とされており、その主な任務は国内反乱の鎮圧と対外的な防衛にあった。鎮西鎮台は、東北鎮台(仙台)、東京鎮台、大阪鎮台とともに全国に4つあった鎮台の1つとして設置されたもので、位置的に九州の中心部にある熊本が、軍略上の拠点を置くうえで、いかに重要だったかを表している。73年7月に熊本鎮台に改称され、その後は74年の「佐賀の乱」や76年の「神風連の乱」の鎮圧、77年の西南戦争での防衛などで、その武力・存在感を示した。熊本鎮台はその後、88年5月に「第六師団」と改称し、九州における陸軍の中心部隊となっていった。

 先の西南戦争では主戦場となった熊本の町は焦土となり、約1万5,000戸の家屋消失や約2,000戸の民家破壊など、莫大な被害を被った。その後、町の復興および疲弊した経済の立て直しのため、79年12月に熊本商法会議所(熊本商工会議所の前身)が設置。県庁が置かれた熊本中心部は、九州全体の中央部にあることで「九州の中核都市」に位置付けられ、前出の熊本鎮台をはじめ、九州の高等教育の中心として設置された「第五高等中学校」、逓信省(郵便や通信を管轄する中央官庁)の出先機関である「熊本逓信局」、大蔵省の専売部門を担当する「専売局熊本支局」など、九州域内を管轄する国家機関・教育機関が相次いで設置されていった。78年3月には「熊本区」が設置され、89年4月の市町村制により、熊本区が市制施行して「熊本市」となった。同年6月には熊本市役所も開庁している。

健軍にシフトライフがマンション計画 熊本第一弾 「アメイズ健軍本町ヒルズ」

アメイズ健軍本町ヒルズ
アメイズ健軍本町ヒルズ

 熊本市の東部・健軍では、22年5月完成予定で、福岡のマンションデベロッパー・(株)シフトライフによる分譲マンション開発が進められている。シフトライフにとって、熊本マンションプロジェクト第一弾となる「アメイズ健軍本町ヒルズ」は、小高い丘に立地し、敷地の南側が開けていることから、全戸南向きの仕様。北側も健軍上ノ原公園に隣接しており、南北それぞれの眺望の良さが売りのマンションだ。市電・健軍交番前まで徒歩6分の立地で、市街地やJR熊本駅にも直通。また、健軍神社前、陸運支局、健軍交番前バス停もそれぞれ徒歩6分圏内と、交通利便性も高い。小中学校や病院、スーパーマーケットや銀行なども徒歩圏内にそろっている。

 設備の充実も売りの1つだ。インターホンには、取りつぎ音声が先に要件を確認する「dearis」(熊本市初※20年12月末時点)が採用された。来客がインターホンを押すと、まずdearisから要件を確認する音声が流れるため、突然の訪問販売や勧誘への不要な対応をしなくて済むというものだ。さらに、カードキーやスマートフォンで解錠できるデジタルドアロックも採用されるなど、セキュリティ面にも配慮された。

所 在 地:熊本市東区健軍本町722ほか(地番)
敷 地 面 積:2,305.04m2(建築確認対象面積)
総 戸 数:44戸
事業主・売主:(株)シフトライフ
構造・規模:鉄筋コンクリート造地上15階建
専有面積 :68.25m2~85.05m2
間 取 り:3LDK・4LDK
建築竣工予定:2022年5月末日
入居予定 :2022年6月末日

(つづく)

【坂田 憲治】

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