【特別対談】ピエトロ新工場を起点に、賑わい&活力を古賀市全域へ――(前)
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2021年05月05日 07:00

【特別対談】ピエトロ新工場を起点に、賑わい&活力を古賀市全域へ――(前)

古賀市長 田辺 一城 氏/(株)ピエトロ 代表取締役社長 高橋 泰行 氏

古賀市長 田辺 一城 氏
(株)ピエトロ 代表取締役社長 高橋 泰行 氏

両者の想いが一致

 ――3月12日に新工場用地取得にともなう立地協定を古賀市と締結されましたが、新工場の構想はいつごろからあったのでしょうか。

 高橋 当社では現在、古賀市の食品加工団地内に3つの工場を構え、ここですべての製品の製造を行っています。一番新しい第三工場は昨年竣工したばかりなのでまだ大丈夫ですが、第一工場の竣工が1990年、第二工場の竣工は96年と、将来的にはこの2工場の老朽化による稼働率低下などを懸念していました。「あと10年は今の工場で大丈夫だろうけれど、その後に備えて何か考えておかなければ」と社内での検討を始めたのが、今から3年前くらいからです。

大人気のドレッシングをはじめとしたピエトロの商品は、すべて古賀市でつくられている
大人気のドレッシングを
はじめとしたピエトロの商品は、
すべて古賀市でつくられている

 ただ、ある程度の規模の工場用地というのは、そう簡単に見つかるものではありません。当社でも、最初は今の3工場が立地している食品加工団地内で探していたのですが、残念ながら見つからず、古賀市外も含めて候補地を探していました。そのときに田辺市長からご提案いただいたのが今回の青柳釜田地区で、古賀市さまにはその後、地下水調査なども速やかに実施していただきました。

 田辺 青柳釜田地区では今回のピエトロさまに限らず、さまざまな企業誘致を図ろうと考えていましたが、その際に地下水の水質や量などは、重要な判断材料の1つです。企業さまの進出にあたって、本市を候補地として検討の俎上に載せていただくためにも、地下水調査については昨年度の都市整備課所管の事業として実施しました。

 高橋 やはり私ども食品事業者にとって、水の問題というのは極めて重要な事項です。古賀市さまにはこうした水の問題をはじめ、心配材料・懸念事項などを1つずつ丁寧にクリアしていただき、最終的に「新工場を建設するのに強力なサポートをしていただける」ということで、今回の立地協定の締結に至りました。本当に感謝しています。

 田辺 私としては、ピエトロさまに「新工場を古賀市に建てる」と正式に表明していただくまで・・・、いや今の高橋社長のお話を聞きながらでも、ドキドキしていたというのが正直な気持ちです(笑)。

 というのも、本市の工業団地は昭和の時代にできたもので、ピエトロさまに限らず各企業さまの工場が老朽化や狭隘化などの問題から、近い将来に必ず建替えや拡張、移転などを検討されるであろうことは、我々の基本的な問題意識としてありました。そうした必然的に来るべき未来に向けて、我々が何を対応しておかなければならないかというと、代替地となり得る土地の確保です。古賀市内で工場用地が見つからず、市外に移らざるを得ない、もしくは、そもそも古賀市が選択肢に入らないというような状況は、何としても回避しなければならない。そうした思いで、20年12月に土地区画整理事業が竣工した玄望園をはじめ、これまで今在家(いまざいけ)や新原高木などで新たな産業団地の開発の検討を進めてきました。今回の青柳釜田地区もその1つです。

 そうしたなかで、私が「ドキドキした」と申し上げたのは、これだけのブランド力やネームバリューがあり、これまで本市に多大な貢献をしていただいているピエトロさまが、ひょっとしたら市外に移転してしまう・・・というようなケースも、当然我々は想定するわけですよ。もちろん、無理にお引き止めすることはできませんが、心情としては是が非でも本市に残っていただきたい――そんな企業であるピエトロさまに今般、本市での新工場を、それも我々が非常に重視しているエリアである青柳釜田地区での立地を決定していただけたということは、非常に嬉しく、ホッとした気持ちでいっぱいです。

働きやすい新工場へ

 ――新工場の操業開始は2025年の予定ですが、現時点での構想などはいかがでしょうか。

手づくりの工程を多く残すピエトロの工場
手づくりの工程を多く残すピエトロの工場

 高橋 現在の工場は近くに集積はしていますが、3つに分かれていますので、将来的には1つに集約して効率性を上げていきたいという思いはあります。今回の新工場を計画している場所は、私どもの想定よりも二まわりほど広い場所でしたので、将来的な拡張性を考えても十分な余地があり、この点、安心して青写真を描いていけそうです。

 また、現在の工場では2階になっている作業場をフラットにするなど、新工場は「働きやすさ」を意識したつくりにしていきたいと思っています。当社では工場を“大きな厨房”と位置付けており、たとえばドレッシングに使用する玉ねぎは、味が均一になるよう人の手で同じ大きさにカットするなど、手づくりの工程を多く残しています。というのも、安全・安心の面でも、美味しさの面でも、やっぱり人の手と目と技術が一番信用できるからです。

 おかげさまで当社の食品事業は、主力のドレッシングのほか、昨年春から大々的に宣伝に力を入れていた「おうちパスタ」などの商品が、コロナ禍における巣ごもり需要などとうまく噛み合って売れ行き好調です。今後、当社の事業規模の伸長に合わせて工場の生産能力の向上も図っていかなければなりませんが、そのために何よりも重要なのは、働いてくれる人の存在です。現在、3工場合わせて約150人が働いてくれていますが、この先10年、20年と歳を重ねても、安心して長く働いていただけるような職場環境にしていきたいですし、働きやすさの追求は、一番に考えていかなければならないことだと思います。新工場の用地を古賀市内で探したのも、インターに近いなどのアクセス面の優位性も大きいですが、今の工場で働いてくれているスタッフの通勤面も考慮してのことです。

 田辺 ピエトロさまのドレッシングは、私も子どものころから大好きなのですが、当時は少し高級でなかなか親が買ってきてくれず、食卓に出てくるだけで何だか特別感があったのを覚えています(笑)。現在はコロナ禍で私自身も外食を控え、ほとんど家で食事をするようにしていますが、このドレッシングは冷蔵庫に常備し、毎食のように食べています。今のお話にあったように、工場でありながらもきちんと人の手でつくられているからこそ、あれだけ美味しいのですね。本市のふるさと納税の返礼品のなかでもかなりの人気で、工業製品部門では断トツの1位です。こうした優れた商品が本市で製造されていることは、本当にありがたいと思っています。

(つづく)

【坂田 憲治】


田辺 一城 氏<プロフィール>
田辺 一城
(たなべ・かずき)
1980年5月、古賀市出身。福岡県立福岡高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年に毎日新聞社入社。11年4月に福岡県議会議員に初当選し、2期務める。18年12月に古賀市長に就任。現在1期目。

高橋 泰行 氏

<プロフィール>
高橋 泰行
(たかはし・やすゆき)
1964年12月、東京都出身。東京外国語大学卒業後、運輸関係の企業に入社。99年10月に(株)ピエトロに転職し社長室長に。その後、製造部をはじめ全事業の統括を経験し、常務取締役および専務取締役を経て、17年4月に代表取締役社長に就任した。

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