【特別対談】ピエトロ新工場を起点に、賑わい&活力を古賀市全域へ――(後)
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2021年05月06日 07:00

【特別対談】ピエトロ新工場を起点に、賑わい&活力を古賀市全域へ――(後)

古賀市長 田辺 一城 氏/(株)ピエトロ 代表取締役社長 高橋 泰行 氏

古賀市長 田辺 一城 氏
(株)ピエトロ 代表取締役社長 高橋 泰行 氏

「オール古賀産」のコラボを

 ――新工場の立地する青柳釜田地区のまちづくりについては、工場見学や工場体験などの「コト消費」の観光も視野に入れた、交流拠点にしていきたいとお聞きしています。

古賀市役所
古賀市役所

 田辺 この地区にある「古賀グリーンパーク」周辺ではもともと、道の駅の整備に向けての調査・検討を行ったうえで、19年8月末に道の駅の整備は行わないという決断をしました。とはいえ、市としては道の駅でないにしろ、観光や物産、情報発信などの機能強化は考えていかなければならない課題です。私としては、パーク内の物産館「コスモス館」を含めた古賀グリーンパークとその周辺については、民間活力を用いた工場立地などを促進できる潜在力が大きいと判断しており、観光の視点も含めた開発の可能性を検討することで、相乗効果を発揮していきたいと考えています。

 そうしたなかで、やや概念的でボヤっとした表現にはなってしまいますが、本市の強みである工業力に「コト消費」などの観光の視点を掛け算していくことで、新たな可能性を引き出せるのではないか、と。今おっしゃったような工場見学や工場体験もそうですし、物販・レストランなどがあれば、古賀グリーンパーク周辺が賑わいを創出する拠点になり得るように思います。もちろん、各企業さまそれぞれが事業計画のなかで検討されていく事項なので、市として無理にお願いすることはできませんが・・・(苦笑)。

 ――今の田辺市長のお話をお聞きして、新工場にそうした機能を盛り込む余地などはいかがですか。

 高橋 前々からそういったご意向をおうかがいしていますし、これだけラブコールをいただき、さまざまなサポートもしていただいていますので、ご期待に添えるような、何かしらの機能などは検討していきたいですね。たとえば、先日の立地協定締結の際の会見でもお話しさせていただきましたが、喜んでいただけるのであれば、レストランなどは前向きに検討していきたいと思いますし、ショップをつくって「古賀市限定商品」などの開発・販売をやってみたいという気持ちはあります。もちろん当社も民間企業ですから、「お客さまにたくさん来ていただけて」かつ「売れなかったらやめる」という前提ではありますが・・・(笑)。

 また、それに先駆けて、物産館のコスモス館に当社のドレッシングなどの商品を置いていただく方向で話が進んでいます。あそこでは地元の野菜などを販売されていますから、そこに当社のドレッシングを合わせて、「こんなサラダはどうですか?」というレシピ提案なども行っていきたいですし、そういったことでうまく相乗効果が生まれてくれば、お互い楽しいのではないでしょうか。

 田辺 そのご提案は、本当にありがたいですね。野菜もドレッシングもすべて「古賀産」の素敵なサラダができそうです(笑)。コスモス館は公共施設ではありますが、市内の農家さんを中心に構成されている「コスモス広場利用組合」によって運営されています。地元産の農産品などの充実は図れているのですが、食品も含めた工業製品はなかなか難しく、そこを市が橋渡し役として、ピエトロさまのような古賀市に製造拠点を置いていただいている各企業さまの魅力ある製品を置いていただくべく、提案などは行っているところです。

 今の高橋社長のご提案は、本市のまちづくりにとっては本当にありがたい話で、ピエトロさまの商品を置いていただき、市の産品と何かコラボで取り組むような動きができれば、他の企業さまも入りやすくなる機運が高まっていくように思います。食品に限らず、さまざまな企業さまの商品の“掛け算”によって新たな価値を生み出していく――その大きな一歩になるのではないかと思います。

「産業×子ども×健康」

 ――これまで30年以上にわたって古賀市に生産拠点を置いてこられましたが、古賀市の魅力やポテンシャルをどう感じられますか。

ピエトロ古賀第一工場
ピエトロ古賀第一工場

 高橋 まずは、当社の工場に長い間勤めていただいている方がたくさんいらっしゃいますし、とても住みやすいまちなのだと思います。子育て支援なども充実し、子育てしながらでも無理なく働ける、そんな環境が整っているのだと感じます。また、都市と豊かな自然とのバランスも良いですし、我々のような事業者側から見れば、古賀インターに近いという交通アクセスの面でも魅力です。とくに当社は、唯一の製造拠点が古賀市ですので、日本全国へのアクセスはもちろん、福岡市中央区天神にある本社とのアクセス面でも大変便利です。さらに、当社工場のある食品加工団地に立地している企業さま同士の仲が良く、困ったときにいろいろ助け合ったりするなど、そういった面も魅力です。

 そして何より、常に細やかなご配慮とともに、前向きな提案をしていただいたり、気になることをすぐに調べて回答していただけたりする、古賀市さまの姿勢がとても嬉しいですし、事業者側から見た古賀市さまの魅力だと感じています。

 私どもも、いろいろと受けたご恩はお返ししていきたいですし、そのための地域貢献の取り組みの1つとして考えていることがあります。ありがたいことに、前々から「ピエトロのドレッシングで子どもの野菜嫌いがなおった」というお話をたくさんいただくのですが、食に関わる企業の使命として、10年前ぐらいから「野菜嫌いをナオソ。」をテーマに掲げた活動に力を入れています。幼稚園を訪問して子どもたちと一緒にサラダをつくって食べる「幼稚園キャラバン」などの食育イベントを実施しているのですが、こうしたイベントなどをぜひ古賀市さまでも行っていきたいと考えています。意気込みとしては、私どもの取り組みを通じて、「古賀市には野菜嫌いの子どもは1人もいないよ」とまでしていきたいですね(笑)。

 田辺 今のお話を聞いていて思ったのが、本市のまちづくりの3大理念というのが、「産業力の強化」と「チルドレンファースト」、そして「健康・安心」なんですね。これら3つの各々の取り組みを進めていくことはもちろん、「産業×健康」や「子ども×健康」など、それぞれを掛け合わせていくことも大事だと考えているのですが、今の高橋社長のお話は、まさに「産業×子ども×健康」と、3つすべての要素が掛け合わさっていますね。古賀市のまちづくりの3大理念を体現していただいている、本当にありがたく素晴らしい企業だと感じます。

新たなまちづくりが進められようとしている青柳釜田地区
新たなまちづくりが進められようとしている青柳釜田地区

 先日私が出演したあるテレビ番組の収録の際、古賀市の紹介VTRのなかでピエトロさまの映像が一瞬映ったのですが、共演者の方々が「ピエトロって古賀市にあるんですか!」と、とても反応が良かったのが印象的でした。それだけ全国的にも高い知名度があるピエトロさまが、新たな製造拠点の場所として引き続き古賀市を選んでいただけたことに感謝しながら、本市のシティプロモーションにもこれまで以上に力を入れていきたいと思います。そして、青柳釜田地区での新たなまちづくりを進め、その賑わいや活力を市域全体に広げていきたいですね。

 高橋 私どもも、企業活動を通じて、古賀市さまの地域活性化への貢献を行っていきたいですね。そして、これまで以上に皆さまに愛される商品づくりを行い、「うちのまちにピエトロがあって嬉しいよね」と言っていただけるような、地元・古賀市で愛されるような企業であり続けたいと思っています。

(了)

【坂田 憲治】


田辺 一城 氏<プロフィール>
田辺 一城
(たなべ・かずき)
1980年5月、古賀市出身。福岡県立福岡高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年に毎日新聞社入社。11年4月に福岡県議会議員に初当選し、2期務める。18年12月に古賀市長に就任。現在1期目。

高橋 泰行 氏

<プロフィール>
高橋 泰行
(たかはし・やすゆき)
1964年12月、東京都出身。東京外国語大学卒業後、運輸関係の企業に入社。99年10月に(株)ピエトロに転職し社長室長に。その後、製造部をはじめ全事業の統括を経験し、常務取締役および専務取締役を経て、17年4月に代表取締役社長に就任した。

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