2022年06月25日( 土 )
by データ・マックス

【コロナ禍で明暗分かれるラーメン業界(3)】無視できない存在に躍り出る

(株)三味

元祖トマトラーメンと辛めんの店 三味(333) 2015年11月、豚骨が主流の福岡のラーメン業界を揺るがす超新星が現れた。「元祖トマトラーメンと辛めんの店 三味(333)」だ。

 アジア太平洋地域13カ国、100万社以上の企業を調査対象とした「High-Growth Companies Asia-Pacific 2021」(アジア太平洋地域の急成長企業ランキング)のレストラン業で首位を獲得した(全業種ではアジア太平洋地域78位、国内14位)。6店舗(21年6月時点)、売上高2億5,500万円(20年9月期)と、4社に比べるとまだまだ規模は小さいものの、成長率は目覚ましい。

 16年9月期に4,414万円だった売上高は、毎年約1億円ずつ増加。19年9月期の売上高は3億1,671万円で、16年9月期から617%増となった。その成長ぶりの背景には、オリジナルキャラクターの制作をはじめとしたイメージ戦略や、学割サービスによる新規顧客獲得とリピーターの多さにある。

 17年5月から始まった学割サービスは、中高生330円(税込)、大学生390円(同)で提供。デリバリーサービスについては、通常のデリバリー価格が980円のところ、期間を限定して出前館では190円(同)、foodpandaでは333円(同)で提供している。この安さに魅かれて入った客がリピーターになるという構図だが、ここにはもう1つ同社社長・宮下将司氏の思いが隠れている。

 「まずは一度食べていただいて、5、10年後もまた来たいと思ってもらえたら。今は種まきをしている段階です」と話す宮下氏自身にも、幼少期に安いインスタント麺に助けられた経験があるそうだ。お金に困りがちな学生の助けになりたいという思いもあり、学割をはじめとした超低価格を設定、提供し続けている。「人を喜ばせる」という創業当時からの思いを変わらず持ち続けたことが、現在のビジネススタイルをつくり、人気につながったのだろう。

 同社のキャナルシティ博多ラーメンスタジアム店は数々の有名豚骨ラーメン店を抑え、売上、来客数ともに8店舗中1位に輝いた。福岡有数のラーメン激戦地であるこの場所で結果を出したことで、他社にとって無視できない存在となったはずだ。コロナ禍が落ち着き、ほかのラーメン店が全快した後、同社がどのように勝ち進んでいくのかが注目される。

三昧 既往の業績

【杉町 彩紗】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮下 将司
所在地:福岡市博多区東公園1-25
設 立:2015年10月
資本金:800万円
売上高:(20/9)2億5,506万円

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