2024年04月26日( 金 )

【凡学一生の優しい法律学】民間学術研究団体のお粗末な憲法論(後)

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4.国際歴史論戦研究所の独りよがり

 従軍慰安婦問題について、日本学術会議が「学問的立場からの見解を表明すべき」という前提は国際歴史論戦研究所の独りよがりであるため、同研究所の主張や公開質問は道理に合わない。

 ただし、3つの公開質問に関しては論理的な返答が可能であり、日本学術会議の会員であれば誰でもできる反論であるため、筆者が以下に回答する。

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公開質問
(1)学術論文への批判は、あくまで学術論文の姿勢で反論すべきか。外部の圧力により論文の撤回を強いて、異説を封じることも認容するのか。
(2)ラムザイヤー氏の論文にも、(1)の回答は適用されると考えるか。
(3)「学問の自由」の根本に関わるこの事案に対して、今まで見解を述べなかったのはなぜか。

(1)への回答

 論文への批判は論文ですべきか、と当たり前のことを尋ねるお粗末な質問であり、質問の本質は、韓国や中国の批判の姿勢を認めるのかということだ。韓国や中国の批判が客観的な証拠に基づくものであれば、その証拠を評価することは避けられないが、客観的な証拠が見当たらないため、単なる政治的な見解の違いといえる。学者としては見解を述べようがない、ただの政治的論争であるため、コメントしないことが正しい姿勢となる。

(2)への回答

 ラムザイヤー論文も、客観的な証拠がない点では同じであるため、学問的に検討することはできない。客観的な証拠のない議論は、単なる政治的見解の対立であるため、これも学者の立場では何のコメントもできない。

(3)への回答

 従軍慰安婦問題は、客観的な証拠のない過去の歴史事実に対して政治的な見解が対立している問題であるため、学問の対象としては成り立たず、対立する見解を並べても何の意味もない。

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5. 結び

 

 国際歴史論戦研究所による今回の公開質問は、日本学術会議への「難癖」であり、日本学術会議が「国益に反する団体である」と主張することがその本心である。この似非(エセ)学者集団の詭弁に誤魔化されてしまう国民がいる可能性もあるが、良識ある国民なら、国際歴史論戦研究所の飛躍した独りよがりな論理の本質を簡単に見抜くことができると考えている。

 

 加えて、すべての国際歴史論戦研究所会員は「似非学者」で、「政党員」である。会員らは学問の真理を探求しているのではなく、政治的意見を集団的で主張しているにすぎない。

(了)

(前)

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