福電協・新理事長に堀内重夫氏「事業承継の受け皿づくりと組合員増加を目指す」(前)
-
福岡電気工事業協同組合 理事長 堀内 重夫 氏
((株)堀内電気・代表取締役)福岡電気工事業協同組合(以下、福電協)の歴史は戦前まで遡る。戦時中の統制経済への移行とともに、鋼鉄類の入手が個々の業者では困難となり、かつ配給制度が実施され、その受給機関として1942年4月に福岡電気工事組合が設立された。終戦とともに同組合は自然解散となったが、戦後の復興と進駐軍施設の設営工事の円滑化を図るため、協同組合へと組織形態を変更し、現在に至っている。5月13日に開催された今年度の第1回理事会で、第19代の理事長に堀内重夫氏((株)堀内電気代表)が就任することが決まった。堀内新理事長に、今後の抱負などを聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 執行役員 鹿島 譲二)
目標は組合員500社
――福電協の新理事長に就任されました。抱負をお聞かせください。
堀内 5月13日の理事会で、理事長を拝命いたしました。当組合の課題は、組合員の減少をいかに食い止めるかです。私が入会した1986年当時の組合員数は640社だったのですが、現在は390社。前年度は脱退が8社に対し、新規加入は1社のみでした。
近年、後継者不在などにより、やむを得ず廃業という道を選択される組合員が増加しています。組合としては事業承継の受け皿づくりや、若年事業者の組合加入を促進していかなければなりません。当組合には青年部があり、30代~40代の組合員たちが組合のPRや地域貢献・社会活動に取り組んでくれています。こういった活動を後押しするためにも、私が先頭に立って、理事の方々や青年部の皆さんと一丸となり、組合を運営していくつもりです。
――後継者不在で廃業を余儀なくされるという話は、最近よく耳にします。組合を脱退するその他の理由としては、どのようなものが挙げられますか。
堀内 以前は、九州電力(以下、九電)に電気使用の申し込みを行う際、組合に加入していない電気工事業者は非常に煩雑な手続きを強いられていました。そうしたことを避ける意味合いもあって、多くの事業者が当組合に加入していたという事情もあったわけです。また、住宅などの新設申請、配線工事の変更にともなう電流制限器(ACL)の取り付けなど、当組合が九電から受託して作業を行っていたのですが、2016年の電力自由化以降、通信機能を備えた電力系「スマートメーター」が普及し、インターネット経由で遠隔からアンペア変更することが可能となりました。それによって同業務が減少したこともあり、組合に加入することのメリットが薄れてきたことも影響しているのかもしれません。
当初の組合加入金は30万円でしたが、加入金につきましては段階的に減らしていき、現在は10万円まで減額しました。今後、この加入金をどのようにするかを検討していきたいと思います。年会費は必要ですが、加入した方に年会費以上の価値を提供できるような組織にしていくつもりです。
――組合員を増やすため、どのような取り組みを行っていますか。
堀内 現在、ホームページをリニューアル中です。新しいホームページでは、会員用ページ内に「○○という現場があります」「□□という材料が欲しいが、もっている人はいませんか」「こういう特殊な素材を保有しているが、使う機会がないので格安でお売りします」など、会員間での情報共有ができる掲示板のようなページをつくりたいと考えています。そのほか、メルマガやSNSなども積極的に活用して、組合員間の情報共有を密にしていきたいですね。
当組合には、先輩たちが築いてこられた財産があり、組合運営にあたって資金的な不安はありません。ただ、「組合員は少ないがお金はある」がいいか、「組合員は多いが、お金がない」がいいかを考えた場合、私は絶対に後者であるべきだと思っております。投資をしてでも、組合員を増やしていかなければなりません。理事長を何期務めるかはわかりませんが、私の任期中に組合員を500社ぐらいにまで増やせたらと考えています。
(つづく)
【文・構成:新貝 竜也】
<プロフィール>
堀内 重夫(ほりうち・しげお)
1958年12月生まれ、福岡県大野城市出身。筑紫工業高等学校(現・筑紫台高等学校)を卒業後、地元の電気工事会社に就職。86年に堀内電気工事店を創業。97年には(株)堀内電気を設立。2017年5月に福岡電気工事業協同組合副理事長、21年5月に同理事長に就任。趣味は釣りとゴルフ。
<INFORMATION>
福岡電気工事業協同組合
代表理事:堀内 重夫
所 在 地:福岡市中央区渡辺通3-2-10
T E L:092-761-6203
F A X:092-781-5207
E-mail:fdenk-ai@alto.ocn.ne.jp
設 立:1947年4月
出 資 金:392万円
地 区:福岡市、春日市、大野城市、筑紫野市、太宰府市、宗像市、
古賀市、福津市、筑紫郡、糸島市、糟屋郡、遠賀郡の一部、
長崎県壱岐市、対馬市月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。
記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。
企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。
ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)関連記事
2024年3月28日 14:402024年3月21日 16:152024年3月16日 18:302024年3月25日 09:302024年3月6日 09:002024年2月21日 06:002024年3月29日 17:20
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す
- 業界注目!特集
-
産廃処理最前線
サステナブルな社会を目指す
- MAX WORLD監修
-
パーム油やPKSの情報を発信
パームエナジーニュース