安心安全な暮らしとスムーズな経済活動を支えていく(前)
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福岡県県土整備部長 西川 昌宏 氏
今年4月、福岡県の新たな県土整備部長に、国土交通省出身の西川昌宏氏が就任した。本省および関東地方整備局をはじめ、道路畑での勤務経験が豊富な西川氏は、大分県庁への出向経験があり、九州のインフラにも造詣が深い。そんな西川氏にとって、福岡県内のインフラはどう映っているのか。また、県土整備部のトップとして、どのようなミッションを抱いているのか。これまでのキャリアなどを含め、話を聞いた。
目の前の課題は復旧復興
――まずは、就任の抱負を。
西川 福岡県県土整備部のミッションは、県民が安全安心に暮らせるように、そしてさまざまな経済活動がスムーズに回るように、インフラを整備および管理し続けていくことだと考えています。
福岡県に対しては、以前から災害が多いという印象がありました。実際に4年連続で災害が発生しています。全国的な傾向として、雨の降り方が変わってきていて、災害が激甚化、頻発化しています。我々の目の前にある課題は、災害からの復旧復興をしっかり成し遂げることだと考えています。とくに、平成29年7月九州北部豪雨による被害からの改良復旧事業は着実に進んでおり、1日でも早く完了するよう全力で取り組んでいます。
一級河川については、流域治水プロジェクトがすでに実施されていますが、福岡県が管理する河川についても、今年5月に4つの流域治水協議会を立ち上げ、議論を始めたところです。今年度内をメドに、それぞれ流域治水プロジェクトを取りまとめることにしています。
さらに、災害対応をしっかりしたうえで、九州が持つ産業立地や観光、農業などの経済的なポテンシャルを活かして、さらなる成長を支えるようなネットワーク整備や拠点の整備も前に進めていきたいと思っています。そうすれば、人も企業も安心して「福岡に来たい」「住みたい」と感じるのではないでしょうか。
――福岡県に対する印象はいかがですか。
西川 福岡県で仕事をしたことはありませんが、10年ほど前に大分県庁で2年間働いたことがあります。そのときに福岡県には出張で何度か訪れたことがありますが、福岡のまちは、活気があって良いところだと感じていました。
(つづく)
【フリーランスライター・大石 恭正】
<プロフィール>
西川 昌宏(にしかわ・まさひろ)
1970年9月、京都府出身。94年東京大学工学部卒業、同年建設省入省(土木研究所道路部新交通研究室)。2002年国土交通省関東地方整備局東京外かく環状道路調査事務所調査課長、05年同道路部道路計画第一課長、06年同道路局企画課道路経済調査室課長補佐、09年同国土技術政策総合研究所ITS研究室主任研究官(米国連邦道路庁派遣)、11年大分県土木建築部道路課長、15年国土交通省関東地方整備局東京国道事務所長、18年同道路局国道・技術課国道事業調整官、20年同ITS推進室長を経て、21年4月に現職。好きな言葉は「まずやってみる」。趣味は野球観戦、スイミング、ゴルフ。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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