2024年04月30日( 火 )

自民岸田派の林芳正元文科相、衆院山口3区へのくら替えを表明

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 自民党岸田派の林芳正元文部科学相(60歳、参院山口選挙区)は15日、山口県宇部市内のホテルで開かれた後援会の会合で、「伝統を守りながら国の今と未来に責任をもちたい。全身全霊、身を粉にして戦い抜く覚悟だ」と述べ、次期衆議院選挙に山口3区から立候補することを正式に表明した。

 林氏はこの後記者会見し、「戦後の歴史をたどっても、常に衆議院から総理大臣が選ばれている。この国の舵取りをしていくため、衆議院へのくら替えというハードルを越えなければならない」と説明したという。

 衆院山口3区では、現職の自民党二階派の河村建夫元官房長官(78歳)が11選を目指しており、保守分裂となる公算が強まっている。林氏は参院山口選挙区選出の当選5回。父である林義郎元大蔵大臣の秘書官を経て、防衛相や農林水産相などを務めた。このほか、立憲民主党県連副代表で新顔の坂本史子氏(66歳)も立候補を予定しており、3人による戦いとなりそうだ。

 林氏は、自民党・二階幹事長が党の公認は現職が優先されるとして、林氏が立候補すれば処分も辞さない考えを示していることについて、「決意を表明したので決意を貫きたい」と述べ、党の公認が得られない場合は無所属で立候補する考えを示したという。

 山口3区では、市長選を舞台とした林氏と河村氏の代理戦争が3度にわたり繰り広げられている。
・第1ラウンドは2020年4月の美祢市長選。林氏の秘書が応援に入り、新人の篠田洋司氏が現職を破り初当選。
・第2ラウンドは20年11月の宇部市長選。林氏の元公設秘書で、前県議で新顔の篠崎圭二氏が初当選。
・第3ラウンドは今年3月の萩市長選。河村氏の実弟で元県議の田中文夫氏が、林氏が推す現職の藤道健二氏を破り、初当選。代理戦争は林氏の2勝1敗となっている。

 一方、次期衆院選挙は林氏が勝つか負けるかというよりも、山口県から安倍氏につぐ総理大臣が再び生まれるかどうかを占う選挙といっても、過言ではないのではないだろうか。

林芳正議員と筆者(今年3月の萩市長選で)
林芳正議員と筆者(今年3月の萩市長選で)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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