• このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年04月08日 08:00

上から目線の安倍政権、驕りと緩みが瓦解につながる 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、沖縄・辺野古海岸の米軍基地新設問題に関するキーワード「粛々と」から見える安倍政権の驕りと緩みについてについて触れた、4月9日付の記事を紹介する。


 4月5日の、菅義偉官房長官と沖縄県翁長雄志知事との会談で、翁長氏が沖縄県民の強い思いを口にした。「上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していくのではないか」

 まさにその通りである。この核心を衝く言葉を受けて、菅義偉氏も、6日の記者会見で、
 「上から目線と感じられるのであれば表現は変えるべきだろう。不快な思いを与えたということであれば使うべきではないだろう」と述べた。

 辺野古海岸を破壊して米軍基地を新設しようとしている安倍晋三政権は、民主主義の根幹をまるで理解していない。日米地位協定では、米国と日本国が合意すれば、米国が日本国内のどこでも、地元住民・地方自治体の意向にかかわらず、日本国土を米軍基地として提供させることに制限がない。しかし、この規定は、日本が独立国ではなく、米国の占領地、米国の植民地であることを示すものである。

 日本が独立国であるなら、その基本法は憲法であり、憲法の原理に沿って政治を運営するのが独立国の政府の本来の行動である。ところが、安倍政権は憲法ではなく、日米地位協定の上に立って政治を運営している。

 安倍晋三氏は4月8日の参議院予算委員会質疑で、松田公太議員が、辺野古に基地を設置するための法整備の必要性を問いただしたのに対し、

 「すでにある法令にのっとって、これは粛々と進めているので、上乗せして法律を作る必要はない」

 と答弁した。日米地位協定の規定を踏まえて、日米政府が辺野古海岸を破壊して米軍基地を新設することで合意したのだから、地元住民、地方自治体が反対しようと、米軍基地建設を強行することが合法措置なのだと言うのだろう。
 だから、「粛々と」米軍基地建設を強行する考えなのだと強弁する。

 そして、基地建設を強行する拠り所が、仲井真前知事が出した「埋め立て承認」である。知事が「埋め立て承認」を出したことを「盾」に取って、米軍基地建設を強行している。しかし、この「埋め立て承認」そのものが、正統性のかけらもない代物なのである。

 仲井真弘多氏は、知事選での県民との約束を踏みにじって「埋め立て承認」を出した。まさに「裏切りの知事」、「裏切りの埋め立て承認」なのだ。だからこそ、仲井真氏は病院に逃げ隠れしたり、沖縄に帰っても公邸に引きこもっていなければならなかったのだ。

 民主主義=主権在民の基本は、「主権者の判断がすべての基準である」ということだ。

 日米政府が合意しようと、沖縄県民、名護市民の同意がなければ、基地建設を強行してよいわけがない。このような、ものごとの根本、ものごとの本質を理解していない、あるいは、踏みにじるところに、安倍政治の危うさ、安倍政治の根本欠陥がある。

 そして、安倍晋三氏の致命的な欠陥は、

 「ものごとに対する真摯な姿勢」
 「ものごとに対する謙虚な姿勢」

 がないことである。ぺらぺらぺらぺら、言葉をまくし立てれば良いというものではない。「巧言令色鮮し仁」である。

 4月5日の菅-翁長会談の詳細を、安倍晋三氏は確認していないのだ。この会談の詳細を安倍氏が把握していれば、国会答弁で「米軍基地建設を粛々と進める」とは言わない。まさに上から目線で、この問題について、詳細を丹念に確認するという基礎作業さえ、安倍氏は怠っているのだろう。

 この点を追及された安倍晋三氏は、9日の予算委員会で、
 「政府として粛々という言葉を使っていたので答弁で使ったが、上から目線的な雰囲気があるのでやめてもらいたいということであれば、あえて私も使う必要はないと思う」
 と述べた。歯車が完全にずれてしまっている。

 これを「政権の驕り」、「政権の緩み」という。こうした「驕り」と「緩み」が政権を瓦解させる重大な契機になるのである。

※つづきは4月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1120号「安倍晋三氏「粛々と」発言が示す政権の深刻な緩み」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年05月24日 18:41

【特報2】川﨑大資こと塩田大介氏の代理人弁護士がデータ・マックスに回答書で「警告」~横浜幸銀と佐賀銀行は不可解な「取材拒否」

  ■代理人弁護士は「やってはいけないことだった」 データ・マックスに届いた回答書  ※クリックで拡大  データ・マック...

2019年05月24日 14:21

【特報】参院厚生労働委員会で、データ・マックス記事をもとに秋元司内閣府副大臣を追及~川﨑大資こと塩田大介氏と関係があったことを認める

 昨日(5月23日)開かれた参議院厚生労働委員会で、立憲民主党の石橋通宏参院議員が質問に立った。質問の内容は、データ・マックスで5月21日に報じた記事に基づいたもの。

2019年05月25日 07:00

【検証】関空連絡橋衝突事故を振り返る~未曽有の衝突事故は防げたのか(2)

 運輸安全委員会のHP下部には、参考というかたちで掲載され、報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語について以下のように定義されている。

2019年05月25日 07:00

入場料のある本屋「文喫」、アマゾンとの差別化は“検索しない”本探し(後)

 どんな本でもネットで買える時代。でも本屋好きは、本屋にいくことをやめられない。何かを探すでもなく、なんとなく本屋に行って、思いがけなく面白い本にハマってしまうことが...

2019年05月24日 17:30

【申し込み終了のお知らせ】国際情勢フォーラム「米中覇権争いの行方とアジア、日本への影響」

 6月5日(水)に参議院議員会館1階101会議室で開催する国際情勢フォーラム「米中覇権争いの行方とアジア、日本への影響」は、参加者が定員である100名に達したため申し...

2019年05月24日 16:55

【検証】関空連絡橋衝突事故を振り返る~未曽有の衝突事故は防げたのか(1)

 2018年9月4日に近畿地方を通過した台風21号。「想定外」ともいえる暴風により、近畿地方を中心に大きな被害をもたらし、関西国際空港とりんくうタウンを結ぶ関空連絡橋...

2019年05月24日 16:24

リビン・テクノロジーズ(旧・シースタイル)が上場承認 東証マザーズ

   東京証券取引所は、不動産関連のウェブサービスを手がけるリビン・テクノロジーズ(株)(東京都中央区、川合大無社長)(旧・シースタイル)を上場承認した。上場するのは...

2019年05月24日 15:00

厚生労働省公表の「ブラック企業」5月21日発表 福岡労働局分

 厚生労働省は17年5月から、労働基準関係法令に違反し書類送検された企業の一覧表をホームページに掲載している。

2019年05月24日 14:33

こうや豆腐摂取で「床ずれ」の治癒促進効果を確認

 旭松食品(株)(本社:長野県飯田市、木下博隆社長)は、凍り豆腐(こうや豆腐)摂取による、いわゆる「床ずれ」にあたる「褥瘡(じょくそう)」の治癒促進効果についての試験...

2019年05月24日 12:07

伊藤園「お~いお茶 緑茶」の原料茶葉すべてをGAP認証に

 伊藤園は、2020年度までに、同社の主力商品「お~いお茶 緑茶」に使われる原料茶葉のすべてを、「GAP認証取得農園」で生産された原料での製造販売を目指す。

pagetop