2024年03月29日( 金 )

【経営者事業魂の明暗(5)】“勝者 必滅”を忘却したスガ欲得首相(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

朝礼での予測

 本日、当社朝礼で社員の皆さんへ次のように述べた。スガ欲得老人の行く末について次の予測を披露した。(1)組閣・党三役の人事で指名を受けた議員たちが断り、首相・自民党総裁の地位を投げだす可能性が55%。(2)人事刷新を敢行したうえで、自民党総裁選挙で敗北する確率が65~70%。(3)衆議院総選挙において神奈川県2区で落選する可能性が80%。振り返ってみると意外に脆かった。脆かったという以上に、スガ氏は打つ手が完全に封じ込められていたのだ。

関係者全員が先行き不安で浮足立つ

 この1週間、政権の行方について自信をもって予測できた人は1人もいなかった。自民党代議士から政治記者・政治評論家まで誰もが、2時間おきに局面が激変する五里霧中において焦燥感に駆られていた。YouTubeチャンネル「一月万冊」のコメンテーター・佐藤章氏(政治記者)が「誰もがまったくどうなっていくのかさっぱりわかりません。政治記者として40年上取材してきましたが、これほど曖昧模糊な政権末期に立ち会ったことは初体験です」と心境を率直に吐露していた。

 この錯乱状態を招来したのは当事者・スガ老人である。8月中旬から「早期解散」を独断専行的に打ち上げて不安を煽ったが、その度に強い反対の動きがあり立往生した。そしてとどの詰まりは総裁選前に党と一部閣僚の人事に踏み切ろうとしたことである。素人の筆者でも、「この状況では誰が指名されても断るであろう」と判断した。自ら思考する脳をもなかったことを露呈し、加えて政局音痴であることも最後になって馬脚を現した。

横浜市民がスガ老人にストップをかける!

 先日の横浜市長選挙で横浜市民はスガ老人の傀儡候補者にノーを突き付け、落選させた。同候補者の敗北の要因の1つとして「IR誘致反対」が指摘されており、これによる影響はもちろんあるが、敗北した核心的要因は老人の独裁政治手法に横浜市民が相当な嫌悪感を抱き、反発したことである。それは同市議会議員時代の傍若無人ぶりに遡る。市長選敗北を受け、謙虚に「俺の権力の源泉が断ち切られた」と総括し、潔い選択をすれば良かったのであるが、独裁者にはそれができない。

 この独裁者が初めて想像を絶する恐ろしい体験をした。当選3期以下の若手自民党議員たちが己の地位を守るため、必死に抵抗、反撃したのである。誰もが落選して、ただの人にはなりたくない(衆議院議員という就職口を失えば惨めになることがわかっているのだ)。温和な羊が狂暴と思われるほどの牙を剥いた。「俺を失業者にさせる党首は引き釣り降ろす」と豹変したのである。スガ老人には庶民の心境はわかるまい。

 若手議員の失業への恐怖は自民党の派閥の秩序をも崩壊させてしまった。安倍も麻生も家来(派閥の若手議員)に対して脅威を覚えるという初めての体験をしたのではないか。それゆえ、派閥として「一致して菅氏を総裁として支持する」と宣言できなかったのである。スガ老人の本質は壊し屋(デストロイヤー)なのだ。まさしく自民党を崩壊寸前まで追い込んだのである。

(つづく)

(4)
(5)-(後)

関連キーワード

関連記事