【唐津街道中膝栗毛/後編】景観保存と開発の狭間で揺れ動く箱崎~小倉の旧宿場町(前)
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「ちょっと寄り道」津屋崎千軒(福津市)
海上交易と製塩で栄えた歴史情緒あふれる港町
唐津街道の宿場町ではないが、同じように江戸期に栄えた街並みが今に残っているという点で、「津屋崎千軒」にも触れておきたい。
津屋崎千軒は、国道495号の西側および県道502号・玄海田島福間線の南側一帯の福津市津屋崎の海岸沿いに広がる古い街並みのこと。江戸時代から昭和初期頃まで行われていた塩田の積出港として大いに栄えたほか、北前船の寄港地として交易でも栄え、その賑わいぶりは「家が千軒もひしめくよう」であったことから、津屋崎千軒と呼ばれたとされている。残念ながら、江戸期からのたび重なる大火によってまちは何度も焼失したが、現在古い建物が数軒残り、往時の面影を今に伝えている。
たとえば、創業から140年以上の歴史を誇る現役の酒造蔵である「豊村酒造」のほか、江戸時代後期に創業した藍染屋の建物を活用した津屋崎千軒民俗館「藍の家」など。また、古民家ゲストハウス兼コミュニティスペースの「みんなの縁側 王丸屋」をはじめ、古民家を利用したゲストハウスや、ギャラリー、カフェ、食事処、土産物店などのほか、09年7月には福津市まちおこしセンター「津屋崎千軒なごみ」も開業。歴史情緒あふれる古い港町として観光客を集めている。
なお、津屋崎千軒のすぐ西側の海に面した場所では、今年8月に「九州シーサイドグランピング グランドーム福岡ふくつ」がオープン。抜群のロケーションを生かしたグランピング施設という新たな魅力を携えて、エリアの賑わい創出に一役買っている。
(つづく)
【坂田 憲治】
法人名
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