2024年04月20日( 土 )

立憲民主が支持者大量離脱に直面

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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は現在の日本は革新派の主権者が行き場を失っていると指摘した12月6日付の記事を紹介する。

旧民主党=旧民進党の根本問題は「水と油の同居」

基本理念、基本政策を異にする2つの勢力が同居していることが最大の問題だった。

2つの勢力とは「守旧勢力」と「革新勢力」。

基本政策の相違は次の3点。

安保法制=戦争法制の是非

原発稼働の是非

消費税増税の是非

守旧勢力は戦争法制、原発稼働、消費税増税を容認。

革新勢力は戦争法制、原発稼働、消費税増税を否定。

基本政策路線が真逆。

2つの勢力は野党共闘についても真逆の主張を示す。

守旧勢力は共産党との共闘を否定。

革新勢力は共産党との共闘を肯定。

この2つの勢力が1つの政党に同居していることが根本的な問題。

このことを私は2010年に上梓した

『日本の独立』(飛鳥新社)
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に詳述した。

主権者が日本政治体制を適正に選択するためには、この問題を解消する必要がある。

10年来、このことを主張し続けてきた。

2009年に誕生した鳩山由紀夫内閣は民主党内に潜伏する守旧勢力によって破壊された。

鳩山内閣は日本政治の基本構造を根本から刷新しようとした真正革新政権だった。

米国が支配する日本、官僚が支配する日本、大資本が支配する日本という基本構造の打破を目指した。

鳩山内閣が日本の既得権勢力=米官業トライアングルから総攻撃を受けた理由がここにある。

米官業トライアングルの尖兵として鳩山内閣を破壊したのが民主党内に潜伏していた守旧勢力だった。

私はその守旧勢力を「悪徳10人衆」として明示した。

渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎の各氏だ。

鳩山内閣は対米従属からの脱却を目指し、財務省増税至上主義に訣別し、大資本による政治支配打破を目指した。

それゆえに既得権勢力の総攻撃を受け、破壊された。

鳩山内閣を破壊した悪徳10人衆は、民主党政権の基本を対米従属、財務省支配、大資本支配に回帰させた。

日本政治刷新を実現するには、基本政策・基本路線を共有する勢力が連帯することが必要不可欠。

「政策連合」を構築して日本政治の刷新を目指すことが求められている。

この視点から旧民主党=旧民進党の分離・分割が必要不可欠だと訴え続けてきた。

そのうえで、2017年の総選挙を契機に生じた旧民進党の分離・分裂に強い期待を寄せた。

創設された立憲民主党が躍進したのは、同党の創設が革新勢力の純化であると期待されたことが基本背景。

同時に、2017年総選挙で立憲民主党が躍進した原動力は共産党の選挙協力にあった。

この経緯を踏まえれば、立憲民主党は革新勢力として基本性格を明確にして、守旧勢力としての性格を明確にした国民民主党との間に明確な一線を引くべきだった。

ところが、枝野幸男氏は、立憲民主党の革新勢力としての純化方向に進まなかった。

枝野氏が選択したのは立憲民主党の守旧勢力化だった。

これが2021年衆院総選挙で立憲民主党が惨敗した根本的な原因。

今回の立憲民主党代表選で泉健太氏が新代表に選出された。

同党は守旧勢力としての性格を一段と鮮明にすることになる。

その変化に連動して、日本政治の刷新を求める立憲民主党支持者は大量に立憲民主党支持から離脱することになるだろう。

立憲民主党は衰退の坂道を転げ落ちると考えられる。

重要なことは、この情勢変化のなかで革新勢力結集を図ること。

日本政治刷新を求める分厚い主権者の層が存在する限り、新勢力が大躍進する基本条件は整っている。

連合の新会長に芳野友子氏が就任したことも野党再編を促す重要な契機になる。

日本の主権者は連合を労働者の利害を代表する組織であると勘違いしている。

連合会長が明確な言葉を発しないと、連合に対する誤解、誤認識がわかれぬ状況が続く。

ところが、芳野新会長は明確に発言し、連合の正体を市民に認識させる役割をはたしている。

芳野氏は「共産党との共闘はあり得ない」と述べる。

その芳野氏の発言に立憲民主党が阿(おもね)る。

この図式が鮮明。

本ブログ、メルマガで繰り返し指摘しているのは、連合が守旧勢力の一角に組み込まれていること。

連合加盟労働者は約700万人。

全労働者の1割に過ぎない。

そのなかの400万人を占めているのが「六産別」。

「六産別」は電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通等の大企業御用組合連合。

特権貴族労働者の集団だ。

※続きは12月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「立憲民主が支持者大量離脱に直面」で。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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