2024年04月19日( 金 )

政策活動費使途開示は参院選争点

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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「国会は『政治とカネ』問題の核心に切り込むべきだ」と訴えた12月20日付の記事を紹介する。

政党に「政治とカネ」の問題を根本的に浄化する意思があるのかが問われている。政党交付金であれ、寄付金であれ、政治資金の流れを透明にすることが必要不可欠。カネの流れの透明化に反対するのは、「政治とカネ」の問題にやましい点があるからだ。

文書交通滞在費の適正化が論議されているが、迅速な対応が示されない。1日しか対象となる日がないのに1カ月分の支給が行われるのが不適切であることは論を待たない。

日割りに変更することはいうまでもないが、重要な点は領収書を添付して支出不要額を返還すること。領収書公開が当然の対応だ。庶民は時給820円の賃金で汗水流して生活資金を懸命に獲得している。このなかで国民の代表者である国会議員が暴利をむさぼることが許されるわけがない。

しかし、問題の核心は文通費ではない。一部議員が指摘する「政策活動費」「組織活動費」が問題なのだ。

2020年11月に公開された19年の自民党本部政治資金収支報告書によると、二階俊博幹事長が自民党から10億3,710万円の寄付を受けている。名目は「政策活動費」。20年にも6億6,020万円が自民党から二階俊博氏に政策活動費として支払われている。

このような措置は野党にも見られる。19年に国民民主党は「政策活動費」として代表の玉木雄一郎議員に5回で4億8,000万円、幹事長(当時)の平野博文議員に4回で3億3,000万円を支払った。日本維新の会は党支部の位置付けの国会議員団から、5,865万8,000円を馬場伸幸幹事長ら4人に支払った。

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問題は議員が受け取った巨額の政治資金の使途が明らかにされていないこと。「政策活動費」、あるいは「組織活動費」がどのようなものであるか。日本維新の会に所属していた丸山穂高前衆議院議員がツイッターで指摘している(https://bit.ly/3EP8GkU)。

デイリー紙サイト記事から引用させていただくと、
「丸山氏は、文書通信交通滞在費の問題を最初に指摘した小野泰輔議員が在籍する日本維新の会に対して、『毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは?』」と要求。

「文通費は散々言ってきたように、領収書いらない掴み金を議員に毎月100万円ポンと渡す時代錯誤制度」。「日割りでないのバレたからその分返還、はい終わり!でなくて根本改革すべき」と指摘。

「文通費は立憲や自民だけでなく、維新の国会議員も本音でいえば“日割り支給”の落とし所で誤魔化したいでしょうね。日割りに変えましたそれで改革しました!に騙されてはダメです」と言及。

ここまでは、文通費についての対応を指摘している。日割りにするだけでなく、使い道を公開する必要があるとしている。その資金使途公開に関して丸山氏が指摘するのが「組織活動費」「政策活動費」だ。

上記記事からの引用。
「維新は、税金なんだから使い道を公開すべきと主張するなら、本部の政党交付金から国会議員団へ税金が流れて、掴み金で馬場議員や遠藤議員が毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは?税金アジャースというなら別ですけどね」。

「アジャ-ス」というのは「ありがとうございます」のことを指すらしい。

再び記事からの引用。
「『この組織活動費は議員個人に流れた後はどう使ったかもオープンにならない。使い切ったことにすれば一切所得税もかからぬ税金原資の魔法の掴み金』…(略)…『政治活動に使ったならオープンにできるよね??現に収支報告書制度はそういう趣旨なのだから』とつづり、令和元年度分の『維新国会議員団の収支報告書』を掲出した」。

現行制度では政党が議員個人に寄付することが認められ、寄付を受けた議員にその資金使途公開、支払先からの領収書添付を義務付けていない。これが「政治とカネ」問題の巨大な抜け穴になっている。

政党や政党支部が議員個人に寄付を行った場合、その議員がその「政治資金」をどのように使ったのかについて使途公開を義務付ける必要がある。税務上の問題も放置できない。

国会は「政治とカネ」問題の核心に切り込むべきだ。政党が応じぬなら、次の選挙での最重要争点に位置付ける必要がある。

※続きは12月20日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政策活動費使途開示は参院選争点」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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