新造船事業を休止し、艦艇修繕と機械事業への経営資源の集中を柱とした事業再構築を行うと発表している佐世保重工業(株)は12日、最後の新造船の命名式を行った。
最後となった新造船は、ギリシャの海運会社が発注した全長225m、積載重量8万2,000tの大型運搬船で、「TOLMI」(ギリシャ語で「勇気」という意味)と名付けられた。
佐世保重工業は1946年10月、旧佐世保海軍工廠の造船施設を借り受けるかたちで「佐世保船舶工業(株)」として設立。61年に現商号に変更し、翌62年に当時としては世界最大のタンカーとなる「日章丸」を竣工、その後もドックを拡張するなど地域経済のけん引役を担ってきた。
しかし、新型コロナ感染拡大による世界的な経済活動の縮小により海上輸送需要が落ち込み、新造船需要が急減。2020年の受注量は19年比でほぼ半減したうえ、中国の造船所による安値攻勢に晒され船価も下落していた。
同社は事業再構築により、「海軍工廠発足時から主要業務としてきた艦艇修繕船事業を柱とし、機械事業との両輪による強みを生かして安定収益体質の構築を図る」としている。
【新貝竜也】
法人名
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