吉塚市場リニューアルから1年、リトルアジアとして新たな道を
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吉塚市場リトルアジアマーケット
全国的なシャッター街問題、「商店街=寂しいもの」に
戦後から高度経済成長期にかけて、全国的に数を増やしてきた商店街は今、衰退の一途をたどっている。これには百貨店や大型スーパーなどとの競合が激化する近年の傾向に加え、経営者の高齢化による後継者問題など、さまざまな要因がある。閉店しても次の入居が決まらず、シャッターが下りたまま…。日本の商店街は「賑わう場所」ではなく、シャッター街としてのイメージのほうが強くなっていく。
吉塚市場も、その1つになりつつあった。
吉塚市場は、戦後の食糧難に見舞われた1950(昭和25)年ごろ、魚屋2軒と八百屋1軒が開業したのが始まり。その後、お客が集まるようになるのに合わせて続々と店舗がオープンし、最盛期は120店ほどが軒を連ねていたという。しかし、毎日のように買い物客で賑わっていたこの商店街も、徐々に老朽化。他の商店街と同じく、経営者の高齢化と後継者不足の問題、大型商業施設の開業などによって、店舗数は30店ほどにまで減少した。
再起へのキーワードは「外国人」「若者のアイデア」
かつての賑わいを取り戻したいと、吉塚にゆかりのあるトリゼンホールディングス(株)・河津善博氏をはじめとした有志が集い、始まったのが「吉塚リトルアジアプロジェクト」だ。前項で述べたように、外国人が多く居住するこのエリアで、食事やイベントなど、交流の機会を創出することによって日本人と外国人がつながり、吉塚市場を中心に誰もが安心できる市井をつくるのがこのプロジェクトの目標だ。
商店街再生に向けた事業計画は、2020年9月3日に経済産業省の「商店街活性化・観光消費創出事業」に採択され、本格的にプロジェクトが始動。この日からリニューアルオープンまでの3カ月はまさに怒涛の毎日だったという。中国、タイ、ベトナム…とアジアに特化した店舗を誘致し、老朽化したアーケードを修復、さらに照明や公衆トイレの設置工事など、スピード感をもって用意を進めてきたのだ。
そして20年12月1日、飲食店のオープンとともに名称を「吉塚商店街」から「吉塚市場リトルアジアマーケット」に改め、新たな一歩を踏み出したのだ。
【杉町 彩紗】
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