2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

かしいかえん跡は何ができる?跡地利用考察(前)

65年の歴史に幕――ついに閉園した香椎花園

閉園した「かしいかえん シルバニアガーデン」
閉園した「かしいかえん シルバニアガーデン」

 「65年間、かしいかえんを愛していただき心から感謝いたします。ありがとうございました!」(かしいかえん シルバニアガーデンHPより)――。

 2021年12月30日、福岡市東区にあった市内唯一の遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」(以下、香椎花園)が惜しまれつつも閉園を迎えた。1956年4月に「西鉄香椎花園」として開園してから、65年の歴史に幕を下ろしたかたちだ。

 同園の運営を行っていた西日本鉄道(株)(以下、西鉄)の広報によると、最終日の来園者数は約9,000人。この来園者数はコロナ禍のなかでは最多だったといい、同園がいかに市民から愛されていたかがうかがい知れる。

 同園では閉園にともなう「かしいかエンドレスプロジェクト」の一環として、かしいかえんの想いを引き継ぎ、閉園後も園内の植物を育ててもらう「里親探し」企画を21年12月から実施した。希望する来園者に、宿根草・多肉植物・観葉植物などの30種類以上・700点を超える植物の譲渡や、種子のプレゼントを行うとともに、閉園後に残った園内の花や低木などを地域の団体や施設などに承継。また、園内の「なかよしどうぶつらんど」で飼われていたヤギなどは、西鉄が運営する別の遊園地「だざいふ遊園地」(太宰府市)に移送された。園内の遊具については今後、売却できそうなものは売却する方向だが、それ以外のものや建物施設などはいずれ解体撤去される予定。また、園内の庭園等の維持・管理を続けていく予定はないとしている。

 なお、約12haにおよぶ香椎花園跡地の今後の活用については、「社内で検討は進めているものの、現時点では白紙」(西鉄・広報)とのこと。長らく地域から愛されてきた遊園地だっただけに、その跡地再開発に向けては、時間をかけて周辺住民と合意形成していきたい考えのようだ。

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 今後、香椎花園の跡地でどのような再開発がなされていくのかが気になるところだが、同園が西鉄という一民間企業の所有である以上、有り体に言えば「西鉄の意向次第」であるといえよう。こう言ってしまっては身も蓋もないかもしれないが、西鉄の不動産住宅事業として、戸建住宅や分譲マンションなどの開発が行われる公算が大きい。

 とはいえ、市民に愛されてきた歴史を有する遊園地跡地の約12haもの広大な敷地を、単なる住宅地にしてしまうのはもったいないと感じるのは、筆者だけではないだろう。幸いにして、現時点での跡地活用方針はまだ「白紙」とされており、であれば外部からも跡地活用案の“妄想”や“妄言”を差し挟む余地は幾分かあるはずだ。本稿では、これまでの香椎花園の歴史や立地する香住ヶ丘の概要、さらには近隣の香椎・千早エリアなどの再開発動向などにも触れながら、改めて香椎花園跡地のポテンシャルおよびその跡地活用案についても提示してみたい。

【坂田 憲治】

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