2024年05月03日( 金 )

物流拠点として注目集める古賀市

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物流拠点機能を発揮する 玄望園&篠林団地

玄望園地区物流団地
玄望園地区物流団地

 九州自動車道・古賀SA(上り)に隣接する、古賀市筵内にある「玄望園地区物流団地」(以下、玄望園)は、すでに開発が完了している市内の工業団地のなかでは最も新しくできたものだ。
 同団地の場所は、67年にミカン園として開園したのが始まりで、玄望園という名前はその際に「玄界灘を望む希望ある地」という意味で命名された通称であり、地名ではない。80年代にミカン園が廃園となった後は、30年以上にわたって放置されていたが、09年3月に「古賀市玄望園地区地区計画」が決定し、数度の計画変更を経ながら18年1月に福岡県より区画整理事業の認可が下り、同年3月に「古賀市玄望園土地区画整理事業」として造成工事に着手。造成面積は28.2haで、区画数は全9区画となっており、20年12月に竣工を迎えた。

 玄望園は地区前面を通る町川原赤間線(県道503号)を通じて、古賀ICや国道3号、筑紫野古賀線などへのアクセスに優れるほか、トヨタ自動車九州(株)の宮田工場にも30分圏内にある。前出の市のハザードマップでも、浸水や土砂災害、地震などの危険区域には含まれていない。全区画の入居者はすでに決まっており、造成工事の竣工に先行して、20年10月から福岡トランス(株)(北九州市門司区)の福岡ソリューションセンターが稼働を行っている(後項で詳述)ほか、続々と開発が進んでいる。

 玄望園は前述の青柳工業団地と違い、周辺の道路インフラ(主に町川原赤間線)にもとくに脆弱性はなく、上下水道の整備も整っており、企業立地にあたっての問題点はとくに見当たらない。ただし、1点だけ課題を挙げるならば、開発段階では古賀SAに隣接する立地を生かして、将来的には古賀SAのスマートIC化を謳っていたようだが、まだ実現しておらず、その動きも止まっている。現時点でも古賀ICまで近いため、それほど問題はないようだが、仮に古賀SAのスマートIC化が実現すれば、玄望園の利便性はさらに飛躍的に向上することになる。そのため進出企業にとっては、できれば早期の実現に漕ぎ着けてほしいところだろう。

古賀物流団地(篠林団地)
古賀物流団地(篠林団地)

 市の南部、新宮町との境界に位置する古賀市青柳篠林地域にある「古賀物流団地」(以下、篠林団地)は、14年1月に造成工事が完了したもの。造成面積は約19.1haで、区画数は全24区画。こちらは、福岡県運輸事業協同組合連合会の第5次集団化事業として開発が進められたもので、力丸倉庫(株)(福岡県古賀市/後項で詳述)などの組合企業を中心に、全区画が埋まっている。幹線道路・筑紫野古賀線に隣接しており、古賀ICだけでなく福岡ICにも近いという立地から、物流拠点としての機能をすでに発揮している篠林団地だが、現在、筑紫野古賀線では4車線化が進行中。完了の暁には、さらなる利便性の向上が見込まれており、その立地の良さが改めて評価されるだろう。

【坂田 憲治】

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