2024年05月03日( 金 )

物流拠点として注目集める古賀市

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

青柳大内田に新原高木など開発旺盛なポテンシャル

大内田地区・計画図案
大内田地区・計画図案

 こうした既存の物流団地のほかにも、企業立地ニーズの高まりを受けて、古賀市内では複数の開発が進行している。なかでも注目されているのが、「青柳大内田地区」だ。

 大内田地区は、市の農産物直売所「コスモス広場」から九州自動車道を挟んだ反対側に位置しており、前述の玄望園と同じように、もともとは荒廃農地だった場所だ。近年、企業立地ニーズが高まる一方で、市内の既設団地は埋まっていることから、新たな受け皿とするべく、開発に向けた地区計画を設定するための手続きを開始。都市計画審議会などを経て、22年6月の決定告示を目指している。計画地の敷地面積は約18.9haあり、流通・工業系を中心に産業振興を図るA地区(約16.6ha)と、公園や緑地の保全を図るB地区(約2.3ha)に区分して、それぞれにふさわしい適正な土地利用を誘導。また、地区内には新たに幅員12mの区画道路も整備する。筑紫野古賀線にほぼ隣接しているうえ、古賀ICにも近く、利便性は抜群の立地。現在は地区計画の設定に向けて、現地調査の一環で生い茂った雑木林の伐採などを行っている段階だが、すでに同地進出への興味を示している企業もあるといい、計画が進めば早期に入居事業者が決定しそうな勢いだ。

 新原高木地区も、今後注目を集めそうな開発予定地の1つ。同地は筑紫野古賀線の「古賀インター入口」交差点の北東に位置しており、市内でも古賀ICまでの距離が最も近い場所であり、その利便性を生かして運送業・倉庫・卸売業等の立地に適していると目されている。これまでは開発に向けた動きが低調だったが、近年の市内の開発動向を受けて地元の機運も高まっているといい、近いうちに具体的な開発の動きが顕在化してくることも考えられる。

青柳大内田地区
青柳大内田地区

● ● ●

 22年4月からスタートする「第5次古賀市総合計画」では、土地利用構想における産業用地について、「雇用の創出と税収の確保を図るため、優れた交通利便性を活かした土地利用転換により、事業用地を確保しながら企業立地を促進するとともに、投資を拡大する企業を支援するなど産業集積を進め、本市の強みである『モノづくり力』を強化します」とある。市では持続的な成長力維持のためにも、今後も優れたアクセス性・輸送能力を武器に、ニーズに応じて市内での開発を進めていく方針であり、そのための企業立地支援制度などの優遇策も用意。2つの政令市の間に位置する福岡都市圏における一大物流拠点として、その地位を高めていきそうだ。

古賀市都市計画マスタープラン土地利用方針図(企業誘致・立地編)
古賀市都市計画マスタープラン土地利用方針図(企業誘致・立地編)

(了)

【坂田 憲治】

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事