【福岡・ベイエリア】きっかけ次第では“化ける”か(後)
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西区・今宿~今津
魅惑のシーサイド・糸島半島福岡市西区今宿と糸島市加布里を境界として、玄界灘に突き出した糸島半島は、福岡のみならず、東京をはじめとする関東圏でもその名が知られるようになった。
福岡市西区に属する今宿は、今津湾に沿って長垂海浜公園や今津砂浜が連なっており、春から夏にかけて、ウォーキングやランニング、サイクリングを楽しむ人の姿が増える。また、国道202号(唐津街道)沿いでは、複数の飲食店やロードサイド店舗が営業しており、通勤・帰宅ラッシュ時やランチタイムに車が列をなすさまは、もはや日常の一部となっている。それだけエリア外との往来が活発であるということであり、今宿の事業者にとっては“ついで利用”に期待がもてるということでもある。
今宿はその名称からも分かるように、かつては唐津街道の宿場町として栄えた歴史をもつ。街道の宿場町として、滞留人口を創出することで発展していった今宿では、通り過ぎる場所ではなく、立ち寄れる場所としてのまちづくりを展開してきた。現在では、その立地・ロケーションを生かした開発が散見され、(株)タイヘイによるオーシャンビューを売りにしたマンション「サングレート今宿オーシャンテラス」(全戸予約済)や、住宅型有料老人ホーム「メディケア癒やし今宿(仮)」など。ほかにも、NTT今宿社宅跡地で複合施設の整備などが進められている。
今宿よりも糸島市寄りとなる今津は、博多津(博多港の古称)に対して、怡土荘(いとのしょう)で新たに開かれた貿易港と考えられている。今津を拠点とする廻船(運送船)は、江戸時代に唐泊、宮浦、今津、浜崎、残島(のこのしま/能古島)の廻船とともに、筑前五ヶ浦廻船(ちくぜんごかうらかいせん)として相応の知名度を有し、福岡藩の年貢米を大坂や江戸などに運ぶ輸送の要として活躍した。
今宿以上に海岸の町として海と密接に関わってきた今津は現在、今津運動公園などをはじめとして、週末に賑わいを見せる憩いの場となっている。また、今津~小田間の海岸沿いでは、「ヤシの木ブランコ」がフォトスポットとして定着した活魚茶屋ざうお本店や、海釣りからBBQなどの飲食まで、幅広く海の醍醐味を楽しめる海づり公園が営業しており、市内外から観光客が絶えない。
福岡市では地域の観光振興を目的として、主に志賀島と北崎周辺エリアで「Fukuoka East & West Coastプロジェクト」を進行中だ。同プロジェクトでは、主に無電柱化や歩道の美装化による、豊かな自然環境と調和した道づくりを行っており、官主導で進む良好な自然景観の形成が、民間企業の開発を誘引し、海辺の町の交流人口の増加につながることを期待したい。
【坂田 憲治/代 源太朗】
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