官民一体の保育園が基山町に開園

無限の可能性秘める基山町

　基山町内では、BUDDYの鶴丸聡一郎代表が理事長を務める（福）新芽会が運営する「基山バディ認定こども園」が19年4月に開園しており、同町におけるバディグループの運営施設は、「基山B-Baby保育園」で2施設目となる。

　基山町とバディグループとの関わりは、4年前まで遡る。始まりはある日突然、同町子ども課の担当課長がBUDDY本社を訪れ、「基山町にバディ保育園を開園してもらえないだろうか」と訴えてきたことだった。当初は筑紫野校を建て替えたばかりで時期尚早と考えていたが、その後、何度も訪れてはバディ保育園開設の意義を語る同課長の熱意や、松田町長をはじめとしたまち全体の熱い想いに心を打たれ、ついには一緒にまちづくり、園づくりに関わりたいと思い快諾。そうして、「基山バディ認定こども園」の開園に至ったのだという。

    鶴丸代表は、基山町の魅力やポテンシャルを次のように評価する。

　「私は隣町の筑紫野市在住ですが、正直なところ、以前は基山町についてはそれほどよく知らず、ただ『利便性の良いまち』だという印象はありました。JRの快速電車に乗れば博多駅まで20分強ですし、九州自動車道の鳥栖ICも近く、福岡ICまでおよそ20分。なおかつ新幹線・新鳥栖駅も近いです。また、昔は田舎でも多くの個人商店がありましたが、今ではだいぶ減ってしまい、ある程度の都市部でないと高齢者は生活しづらくなっています。そうしたなかでも、基山町では生活に必要なお店や施設が狭いエリアに集積している印象があり、仮に高齢者が免許を返納して車を運転しなくなっても、徒歩で十分に生活できます。そうした交通利便性と生活利便性から、大きなポテンシャルを秘めており、今後、さらに魅力的なまちへと発展していく可能性は大いにあると感じています」。

動線を意識し、使い勝手を追求

　BUDDYとしては当初、マンション内への入居は考えていなかったという。だが、基山町とトラスト不動産開発とのまちづくり協定に基づいた官民一体での取り組みに、保育園の運営という立場で参加することで、基山町のまちづくりに寄与できるという点に魅力を感じ、プロジェクトへの参加を決意。基山町内2施設目となる、今回の「基山B-Baby保育園」の開園に至った。
　これまでにBUDDYが手がけてきた他施設と同様に、一見して「基山B-Baby保育園」はモダンで洗練されたイメージを受ける。だが、そうした見た目だけでなく、徹底的に動線にこだわった使い勝手の良い設計を意識しているといい、他園から来た保育士からも「とても働きやすい」と高評価だ。

    各教室の間は間仕切りで分けられているが、授業内容に応じて間仕切りを取り払い、教室の広さをフレキシブルに変更可能。また、壁や天井には吸音材を使用し、音による近隣トラブルのリスクも最小限に抑えている。さらに、「整理整頓が安全への第一歩」というBUDDYの教育方針に沿って、各部屋にはクローゼット風ロッカーを設置。なるべく外に遊具などを出さないように配慮している。

　同園では小規模保育を掲げており、園児の定員はわずか12名となっている。

　「ほかの施設でも同様ですが、希望者が多いからと言って、200人を超えるようなマンモス園にしていこうという考えはまったくありません。経営的には、可能な限り多くの園児を受け入れたほうがいいのは間違いありませんが、少人数制にしたほうがすべての園児に目が行き届いて安全に気を配れるほか、1人ひとりの成長をじっくりと見守ることができます。当社の経営の安定ももちろん大事ですが、私たちが何よりも大事だと考えているのは、人間育成です」（鶴丸代表）。

【新貝　竜也】