2024年04月27日( 土 )

【独裁者プーチン・グローバル化を”破壊”(3)】ユダヤ人と日本人(後)

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「イスラエル国家」を再認識する時代

イスラエル イメージ    ユダヤ人の人口は正式にはイスラエルの人口しか正式統計に表れていない。まず結論から言えばウクライナ侵略戦争が長期化すれば表舞台にイスラエルが登場してくるということだ。イスラエルにしてみれば目立つのは不本意なことであろうが――。ユダヤ人とイスラエル国家とは一見、それぞれ別行動を展開することに徹してきた。だが、プーチン側の幹部たちが「ヒトラーはユダヤ人だ」と強調するほど今後の姿勢がチェンジしてくるであろう。

イスラエルの戦略的な人口増加政策

 イスラエル国家のパワーが世界に強烈に印象づけられたのは1973年の第四次中東戦争である。エジプト・シリアを始めとするアラブ諸国に戦争を仕掛けたのである。当時、イスラエルの人口は400万人足らずであった。この数を知っていたから「無謀なことをするものだ」というのが第一印象。ところが短期間で勝利したものであるから「大胆で緻密な戦略国家」と驚嘆した。この戦争でエジプトはイスラエルと親密な関係を構築した。  

 アラブ諸国に残された対抗策は原油生産を止めることしかなかった。そこでオイル価格が10倍に跳ね上がったのである。「イスラエル経済に打撃を与えるための政策」が世界中に大打撃を与えた。別次元の物価高の経済体制が世界に一瞬にして築かれた。日本もオイルショックという狂乱物価の社会に突入した。一時、日本社会は錯乱期に陥ったが、巧妙に立ち振る舞って繁栄の契機とした(後年のジャパン・アズ・ナンバーワンの異名を得た)。  

 イスラエルの人口が急増したのはソ連が解体された時点の1990年を境にしてである。統制が外れて人々の往来が自由になった。イスラエル政府は積極的にヨーロッパに点在していたユダヤ人を積極的に呼び寄せた(ソ連及びその影響下にあった国々からの転入が主力であった)。その結果、2013年には806万人と倍増し、22年には952万人にまで人口が膨らんでいる。  

 イスラエル政府の人口政策は非常に緻密に練られている。現在、人口構成比率の中で19歳以下が560万人いる。952万人の60%弱になる。若々しい国である。

50年には人口予測1,568万人を設定している。ここにきてイスラエル政府はユダヤ系であれば誰でも転入許可をしなくなった。選別規制導入である。戦略的人口数の確保の目途がついた。だからこそ質を求めるようになった。プーチンがウクライナ侵略戦争に拘るほどにユダヤ・イスラエルの公然と活躍する場が形成されていくのである。2600年(ユダヤ人流浪の旅の強要の年)から経過して世界のひのき舞台での活躍のためのインフラ整備が充実しつつある。

どこまで減る、日本の人口

 先だっての総務省の人口動向の発表である。現時点人口数1億2,519万人、前年比64万人減となる。鹿児島市の人口が1年で消滅する勘定である。県単位でプラスになったのは沖縄県のみ。筆者の査定であれば2030年には年間100万人の極減になる。宮崎県の人口が消滅することを意味する。総務省の見立てであれば48年9,913万人、60年8,674万人となる。経済予想は外れが多いが、人口推移に関しては基礎資料から判断できるからほぼ正解である。38年後の60年の人口数は22年のそれと比較すると3分の1に減ることになる。人口減に伴って経済市場が3分の1に縮小することになるのである。  

 明治維新(1868年)から敗戦(1945年)までの77年間の栄枯盛衰はまさしくドラマである。アジアで唯一、先進国に成り上がれた。ロシアに接戦によって辛うじて勝利国の地位を得た。ここを起点にして国力が加速化する。どこからか勘違いがおきて世界を相手に戦争を仕掛ける。新興勢力・日本の「世界覇者の野望」は敢え無く潰される。そして勝者であるアメリカから天皇制政治体制をもぎ取られ1945年以降、77年間、米の植民地(実質)下に日本国民は甘んじている。  

 しかし2022年までの77年間、これまた「山あり谷あり」のドラマを繰り返してきた。前述した通り1973~74年のオイルショック=物価高の世界を巧妙に潜り抜けた日本は別次元物価高の社会(先進国物価基準を得た社会)に突入した。そこから破竹の進撃が続く。90年(敗戦から35年後)には植民地当事者米の経済力を凌いだと持て囃された。ところがバブル弾けて以降の32年間は衰退に次ぐ衰退である。そしてついに日本人は子孫を残す生物としての崇高な使命を放棄した。結果、人口減の道を切り拓いたのだ。          

悲喜交々の結末

 イスラエルの2050年人口を1,568万人と述べた。日本の人口は48年9,913万人と予想した。イスラエルと日本との間での人口比率である。イスラエルは日本の6分の1しかない。しかし、50年頃にはイスラエル人は一人頭、日本人の6倍の総合力を装備するであろう。となれば陰でなく表の檜舞台で「世界の有数列強」と尊敬される地位をイスラエルは確保することになるであろう。プーチンさんのお陰である。これこそ「喜」なり。  

 日本はどうなる。「ボケ」と囁かれるプーチンはどういう選択をするのか!ウクライナ侵略戦争が思うようにいかない。それどころか敗北感を強いられる戦線に不満が募る。「ボケ」老人には堪え性がない。「えらく生意気に振る舞っている日本人をここで征伐してやるか!最近の日本人たちは精彩がない。ウクライナ人のように侵略行為に抵抗する気概も無かろう」と現状分析をする。結論は北海道上陸である。このロシア侵略契機が日本人魂を燃え上がらすことになるのか!筆者は憂鬱に「起爆剤にならないだろう」と呟く。そうなれば悲劇の「悲」となる。

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