進行する天神ビッグバン&博多コネクティッド(1)
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天神ビッグバン
完成プロジェクトは2件 「水上公園」&「天神BC」
16年7月には、中洲・那珂川の水辺空間である「水上公園」がリニューアルオープンした。天神ビッグバンにおける“東のゲート”という位置づけで、天神ビッグバンが始動して最初の完成プロジェクトになる。
同公園は、もともとは1924(大正13)年に福岡市初の街区公園とした誕生したもので、15年11月より再整備に着工。「世界へ漕ぎ出す、水上の船」をコンセプトとし、特例を利用して建ぺい率をプラスさせ、死角をつくらない水辺の公園を創出。三角形の敷地形状を生かし、突端部分に三角形の鉄骨造2階建の施設「SHIP’S GARDEN」を建築。外壁はカーテンウォールサッシで開放感のあるデザインに加え、屋上は階段状のウッドデッキ張りで憩いの空間を創出し、上部にはシンボリックな帆が設置することで、コンセプト通りに帆船をイメージさせる外観となっている。また、屋根上部分のウッドデッキスペースには、アクティビティに対応できる広場のほか、階段状のベンチを配置。足元の公園スペースと一体となったオープンな空間が創出されている。
天神ビッグバンの規制緩和第1号として、21年9月末に竣工を迎えたのが「天神ビジネスセンター」だ。
同ビルはもともとあった「天神セントラルプレイス」(旧・福岡三和ビル、RC造地上9階・地下2階建、1960年12月竣工)の建替え計画として進められ、隣接していた4棟のビル(西日本ビル、福神ビル、福岡日興ビル、因幡ビル)とともに一体開発が進められていたもの。同ビルのコンセプトは、「ワークライフバランス。クリエイティブなグローバルトップ企業を、世界で最も住みやすい都市『福岡』に呼び込むためのプロジェクト」とされており、建築デザインは建築設計集団OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表を務める重松象平氏が手がけ、建物は全面ガラス張りで遊びのあるデザインが特徴となっている。また、福岡初で国内でも有数の大規模免震構造を備え、国内屈指のBCP性能とオフィススペックを備える。共用部には帰宅困難者が滞留可能な一時受入スペースや防災備蓄倉庫を整備し、天神地区の防災拠点としての役割もはたす。オフィスには、日本電気(株)(NEC)や(株)ジャパネットホールディングスなどの名立たる企業が入居。1階商業ゾーンには、世界的なアウトドアアパレルブランドとして知られる「patagonia(パタゴニア)」が出店するほか、地下2階部分には22年春に飲食ゾーン「天神イナチカ」が誕生した。東京のミシュラン星付きレストランの系列店や、福岡の新鮮な食材を使用した料理が楽しめる地元の人気店など、バラエティー豊かなメニューを取り扱う飲食店12店舗が集まり、天神エリアにおける新たな食の名所として、注目を集めている。
天神ビッグバンが始動して、約7年半が経過しようとしている。15年2月から21年2月までのエリア内での建築確認申請数は52棟で、竣工棟数は43棟(21年9月末時点)となっているが、現在までに完成している大型プロジェクトは前述の「水上公園」と「天神ビジネスセンター」のまだ2件のみだ。ただし現在、複数の大型プロジェクトが随時進行しており、竣工期限である26年末までには、それぞれ順次完成を迎えていくと見られる。以下、主な大型プロジェクトの現状について見ていこう。
【坂田 憲治】
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