2024年05月19日( 日 )

【福岡・平尾(1)】マンション以外でも開発活発

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西鉄・平尾駅
西鉄・平尾駅

 西鉄天神大牟田線・西鉄福岡(天神)駅からわずか2駅の平尾駅がある福岡市中央区平尾エリアは、幹線道路・高宮通りや日赤通りが南北に並走するほか、城南区別府方面へ抜ける筑肥新道、博多方面から百年橋通りを経由して筑肥新道につながる山荘通りなど、鉄道以外の自動車道路も充実。天神から2km強という位置関係からも、商業の色が濃い薬院エリア、住宅地の色が濃い高宮エリアに挟まれた、ハイブリッドなまちという特徴がある。そんな平尾エリアに、小さいながらも新たなランドマークとなり得る施設ができそうだ。

平尾駅周辺の歴史

 1923年12月、福岡市初の浄水場として「平尾浄水場」が完成。現在の浄水通りの地下に埋設された給水管によって、市の中心部への給水が開始された。さらに、24年4月には、九州鉄道(現在の西日本鉄道の前身の1つ)によって、福岡~久留米間の鉄道路線(現在の西鉄天神大牟田線の一部)が開業した。このときに開業した「八幡駅」が、後の「西鉄平尾駅」だ。このように平尾エリアは、生活利便性・交通利便性ともに充実をはたしていった。それでも、福岡市の中心部である天神などに比べると、それほど都市化は進まず、レンゲ畑や菜の花畑が広がり、路面電車・城南線も田んぼや畑のなかを走っているような状態だったという。

 53年7月、福岡市として実施した最初の土地区画整理事業である「平尾地区土地区画整理事業」が事業着手された。施行面積162.7haにおいて、総事業費3億643万円(当時)をかけて、64年11月までの約11年間の事業期間で行われた。幅員8~11mの都市計画道路3本を築造し、これを基幹として地形に応じて区画街路を設置したほか、宅地の整地化にともない排水路を灌漑用水路と兼用するかたちで整理。施行前は宅地3.00%、道路1.75%、河川水路0.44%、田畑12.53%、その他82.28%だった土地利用割合が、施行後には宅地29.34%、道路11.55%、河川水路0.62%、公園緑地2.97%、田畑5.60%、その他49.92%に変更されるなど、宅地化が急激に進行した。

平尾交差点
平尾交差点

 平尾エリアは同区画整理事業のすぐ北側にあたり、浄水通や平丘町などのいわゆる“高級住宅街”の南東側にあたるため、挟まれるかたちで閑静な住宅地の形成が進んでいった。

 なお、浄水通を中心とした界隈には、「丁目」の設定がない単独町名の地区が並ぶ。前出の浄水通や平丘町のほか、御所ヶ谷、平尾浄水町、山荘通、薬院伊福町、古小烏町などだ。

 平尾エリアは、西鉄天神大牟田線(当時は大牟田線)の沿線であり、天神から2駅という好立地を生かして発展を続けてきた。78年3月には西鉄平尾~大橋間の高架化が完了。95年3月には西鉄福岡(天神)~西鉄平尾間の高架化も完了した。

 その一方で、75年11月に路面電車の城南線が廃止。さらに、福岡市地下鉄空港線の建設計画にともない、83年3月には国鉄・筑肥線の博多~姪浜間が廃線となった。(詳細はI・Bまちづくりvol.30 都心の利便性と居住性が魅力、福岡市「薬院・平尾エリア」参照
 

平尾駅の隣でもLANDICによる開発プロジェクトが進む
平尾駅の隣でもLANDICによる開発プロジェクトが進む

江戸期の福岡の古地図

江戸期の福岡の古地図
江戸期の福岡の古地図

 家老級の重鎮が住む城内、上級家臣が住む大名町、中級の馬廻りの家臣らが住む荒戸一帯、それより下級の武士らが唐人町界隈と薬院付近に住んでいたとされ、さらに下位の足軽などが地行や春吉に住んでいたとされている。
 城から距離が離れるほど土地としての重要度が下がっていったとみられ、江戸期の平尾界隈はそれほど重要な場所ではなかったようだ。江戸期の古地図などを見ると、平尾界隈はほぼ空白で、特筆すべき場所ではなかったことを示している。

平尾八幡宮

平尾八幡宮
平尾八幡宮

 1600年前後、創建の地である高宮村から平尾村の北の小高い現在の場所に、平尾の産土神(氏神・鎮守の神)として地域住民に今も親しまれる「平尾八幡宮」が遷座された。境内には「平尾天満宮」という神社もあるが、こちらは別名を「容見天神(すがたみてんじん)」ともいい、菅原道真公と縁がある神社となっている。

【永上 隼人】

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