アビスパ、仕切り直してコンディション対策を!
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選手自身がイメージ通りにパフォーマンスが出すには、心身の状態が一致することが肝要である。とくに今のような梅雨の時期はコンディションを崩しやすく、それがメンタル面におよぶ場合もある。
J2のアビスパ福岡は、21日(日)の2015明治安田生命J2リーグ 第19節のホームゲームのツエーゲン金沢戦で2-0と敗戦した。開始6分後という早い時間と試合も終盤となった75分後にゴールを許している。2ゴールとも同じ選手に決められた。
さまざまな諸説はあるが、フットボール系のスポーツは、普通、開始後10分までプロアマ問わず、どのレベルの選手も苦しい状態にある。なぜなら、心身が試合にフィットするまで10分程は、“ぜいぜい”と息を切らしながら走って自身のペースをつかむからだ。その約10分間は、だいたい心身のこう着状態が続く。よって、開始後6分で得点されたアビスパの選手らは、かなりショックが大きかったのではないか。ゲームの入りの大切さを、痛感したのではないかと思われる。その後は一進一退の状態で、アビスパもチャンスを作りながらも、今一歩のところで決定力が発揮できなかった。
ツエーゲンの走力はアビスパに優っていた。アビスパの井原正巳監督も試合後のコメントでツエーゲン金沢について、「金沢さんのひたむきな、全員が走る、またゴール前での粘り強さは、われわれがまだまだ足らない部分を今日はすごく感じました」と語っている。
フットボールの土台である、走ることで優位に立つと試合の主導権を握りやすい。90分間全力疾走するということでなく、相手選手との駆け引きでの走りで勝るかが重要なポイントである。とくにボールを持っていない時の走り方は、とても重要であり、パスのコースを消し、また相手選手の動きを封じるなど、大切な役割がある。だから“走り勝つ”ことは、試合を制するためには不可欠なのである。長梅雨の様相を呈する今年、スポーツ選手にとっては、走る力を養うコンディショニングが非常に厳しくなりそうだ。ただでさえ梅雨の時期のトレーニングは、真夏と同様に心身にダメージを与える。しかし見方を変えれば、どのJリーグのクラブも似たようなコンディションだと言うこともできる。
今後のアビスパのコンディショニングには、選手としてコーチとして百戦練磨の経験を持つ井原監督の綿密な準備力と、各々のポジションでの経験豊富なコーチやスタッフの献身的な仕事ぶりが、ポイントなってくるであろう。
次節第20節は、6月28日(日)アウェー(長崎県立)でV・ファーレン長崎戦である。気持ちを仕切りなおして順位のことより練習で準備したコンディションのことを考えながら、いいパフォーマンスを観客に披露していただきたい。またアビスパには若手の有能な選手が沢山いる。10代から20代前半の若手の選手が、誰よりも縦横無尽に走って走り勝っていただきたいものだ。
【河原清明】
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