2024年04月27日( 土 )

福岡周縁部のマンション開発状況(3)

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 福岡市の中心部では、市が主導する再開発プロジェクト「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」が進んでいる。これら2つの再開発プロジェクトを契機として、天神・博多をはじめとした中央区と博多区の両エリアでは、規模の大小を問わず多様な開発計画が進行。官製需要が民間投資を誘発することで、バブルに近い開発熱が生まれている。

 その一方で、そうした中心部では開発用地の争奪戦も過熱。地場だけでなく、中央大手のデベロッパーも続々と参戦し、マンションデベロッパー各社にとっては、新たなマンション開発用地の獲得に四苦八苦する状況が続いている。そのため、土地争奪戦の舞台は次第に市の中心部から市の郊外部、さらには近隣の自治体へとシフト。いわゆる“周縁部エリア”でのマンション開発が以前にも増して盛んになってきている。

 今回、福岡都市圏の周縁部を東・南・西の3つのエリアに分けたうえで、各区・自治体ごとに開発状況を見ていこう。

南エリア

福岡市博多区
西鉄新駅周辺で開発進む

 西鉄天神大牟田線の雑餉隈駅から南にかけては、福岡県と福岡市が事業主体として「西鉄天神大牟田線連続立体交差事業」を進めてきた。福岡市内は福岡市が、春日・大野城市域の高架化は県がそれぞれ担当し、雑餉隈駅~下大利駅間の約5.2kmの線路の高架化とともに、雑餉隈駅、春日原駅、白木原駅、下大利駅の4駅も高架化。踏切除去による渋滞解消や公共交通の利便性の向上とともに、各駅周辺の整備や高架下の空間活用などによる新たな賑わい創出などの効果を期待するもので、高架切替は22年8月に行われた。また、この高架化にともない、旧・西鉄バス雑餉隈営業所(現在の竹下営業所雑餉隈車庫)の跡地の一部に新駅を建設する計画も進行。雑餉隈~春日原間に、新たに「桜並木」駅が23年度後半に開業する予定となっている。

 こうした西鉄高架化や新駅設置の影響もあり、雑餉隈駅の周辺では新たなマンション開発が相次いでいる。たとえば(株)オープンハウス・ディベロップメントはエリア内で、新駅である「桜並木」の名前を冠した2つの分譲マンションを計画している。

 西鉄雑餉隈駅から徒歩6分、西鉄桜並木駅からは徒歩2分の東雲町2丁目で計画が進む「オープンレジデンシア桜並木ステーションフロント」は、RC造・地上5階建、延床面積2,245.55m2の全34戸で、設計・監理は雅禧建築設計事務所、施工は(株)オープンハウス・アーキテクトが担当。23年9月下旬の竣工を予定する。もう1つの「オープンレジデンシア桜並木ガーデン」は、雑餉隈駅から徒歩13分、桜並木駅から徒歩14分の距離にある井相田3丁目で計画中のマンションで、RC造・地上13階建、延床面積3,051.35m2、全36戸。設計・監理は(株)サンユニオン、施工は広成建設(株)がそれぞれ担当し、24年5月下旬の竣工予定となっている。

 桜並木ガーデンと同じ井相田3丁目では、大英産業(株)による「サンパーク南福岡グラッセ」の計画も進む。RC造・地上7階建、延床面積3,135.05m2の全32戸で、設計・監理は雅禧建築設計事務所、施工は松吉建設(株)が担当。23年9月下旬の竣工を予定している。

    ほかに雑餉隈駅とJR南福岡駅の間に位置する寿町2丁目では、(株)クレ・コーポレーションによる「アクタス南福岡グランパーク」の建設が進んでいる。RC造・地上14階建、延床面積2,542,18m2の全38戸で、設計は(株)JIN建築設計、施工は中村建設(株)が担当。23年6月中旬の竣工を予定している。

(つづく)

【坂田 憲治/代 源太朗】

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