2024年05月03日( 金 )

「世のため、人のため、自分のため」 創業10年、九州最大の司法書士法人に急成長

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司法書士法人みつ葉グループ

 2022年に創業10周年を迎えた司法書士法人みつ葉グループ。登記、相続、債務整理の3本柱をビジネスモデルとし、現在、東京本社を含めて主要都市に8拠点を構える。ニーズの多様化と求められる情報の高度化に対して、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、弁護士が連携し、各種専門サービスを幅広く展開する同グループは従業員数200名を超えるまでに急成長を遂げている。

移転でより良い環境に

代表 宮城 誠 氏
代表 宮城 誠 氏

 みつ葉グループは事業拡大にともない、2022年6月に福岡オフィスを博多から天神へ移転させた。移転先の天神ビジネスセンタービルは、天神ビッグバンの規制緩和建造物の第1号目。「新オフィスは、お客さまにも喜ばれていますし、採用の面でも応募が増加するなどの効果が出ています」と代表の宮城誠氏は話す。

 オフィス内には広々とした執務室に加え、約20名が一緒に寛げるカフェのような休憩スペース、ウイスキーが並ぶバースペースなどを設けている。これは、社員が気分転換できるようにという配慮とともに、作業効率の向上や社員同士のコミュニケーションの円滑化につなげる意図がある。

 グループ拡大にともなう、組織づくりやマネジメントの課題をめぐり、労働環境の整備は、従業員のモチベーションを上げる外発的な動機になるが、個々の内発的動機も合わせてパフォーマンスの最大化を目指す。独立による離職が非常に多い業界であるが、安定した人材確保とサービス提供のために、離職の詳細な分析をして採用などにも活用するとしている。

さまざまなウイスキーが並ぶバースペース
さまざまなウイスキーが並ぶバースペース

健康づくり優良事業所

 全国健康保険協会福岡支部が実地する令和4年度「健康づくり優良事業所」の認定を受けた(今年度で4度目の認定)。いち早く衛生委員会を発足させて、従業員の健康づくりに力を入れてきた。22年4月にキックボクシングジムを開設、社員は無料でジムに通うことができ、運動不足解消の一助となっている。産業医と提携し、必要な場合は面談を受けられるようにサポート体制を整えている。休職を選択する場合は、期間や復帰時期、復帰後の部署など、細かなところまでフィードバックをする。

 健康づくりには、運動だけではなくメンタルケアも欠かせない。精神的な病は業務負担量の調整だけで解決するものではなく、残業量や業務内容が直結しないケースも多々ある。業務内外のさまざまな要因が絡むと同時に、個人の性格や特性も関係してくる。同グループではそういった状況を踏まえて、面接試験の適切検査の内容も随時改良を加えている。柔軟に個別サポートをしていくためにも、業務に関係する能力だけではなく、メンタル部分の特性も分析できるように工夫している。

変わる債務者の状況

 近年の消費者金融業はメガバンクを中心とした統廃合が進んだ。過払い金返還、少子高齢化による市場の縮小、貸金業法の完全施行などで、経営状況は厳しいとみていいだろう。「長期間の返済計画は消費者金融側の未回収リスクも高くなります。我々が返済管理を行うことでそのリスクが減る、と粘り強く交渉を重ねています」と宮城氏は語る。

 続けて、「近年では多重債務者に陥るケースも多様化しており、若年層も増えてきています」と語る。背景にはキャッシュレスやアプリ決済により借入のハードルが下がっていることなどが考えられる。副業が浸透してきたことから、副業の資金として借入をするも、思うような結果が出ずに返済困難となるケースも増えつつあるという。

 キャッシュレスによる利便性向上の裏で、金銭感覚が鈍り、安易に借入をすることが危惧される。宮城氏は、以前より学校でマネーリテラシーを培う授業を取り入れることを提案しており、福岡市内の学校で「人生で損しないお金の授業」の出前授業を実施している。社会に出る前からお金の知識をつけ、意識を高めることは重要な教育問題であると提唱している。

フラット型の組織づくり

 同グループは業績を順調に伸ばし、司法書士ランキングで全国第5位(プロパートナーONLINE調べ)となった。今後も登記・相続・債務整理の各事業を成長させていく計画だ。
 そして、これから注力していくのは組織づくり。トップダウン型からフラット型の組織転換を進めている。「トップダウン型のほうが経営的には楽なのかもしれません。しかし、長く続く会社をつくっていくためには、フラット型の組織へ転換することが必要だと考えています。簡単なことではないですが、企業理念に基づき、業績とともに個々が主体性を発揮し成長を促進していくことで、今後も業績を向上させていきます」と宮城氏は語る。

 行動指針にある「主体性」「凡事徹底」とは、自分にできることを探し求め成長を続けること、誰にでもできることを誰もができないレベルまで磨くことである。この行動指針を掲げるだけではなく、人事評価の項目にも加えることで、より浸透させようと試みている。

 また、フラット型の組織を目指すためには、中長期的な目線での中間層の育成が欠かせない。マネジメントスキル育成のプログラムを自社オリジナルで用意し、人材育成にさらに注力していく。

 10年で急成長したみつ葉グループ。23年もさらなる事業展開が期待される。

【清家 麻衣子】


■COMPANY INFORMATION■
司法書士法人みつ葉グループ

<代表>
宮城 誠/島田 雄左
<東京本社>
東京都港区虎ノ門5-12-11
NCOメトロ神谷町4F・5F
<福岡オフィス>
福岡市中央区天神1-10-20
天神ビジネスセンター9F
<設立>
2013年9月
<資本金>
2,750万円
<TEL>
03-6263-0317(東京本社)
092-406-8920(福岡オフィス)
<URL>
https://mitsubagroup.co.jp

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