2024年05月13日( 月 )

【二日市】のんびり生活できる小さな観光地

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 遡ること500年以上昔、毎月「二」の付く日に市を開いていたことからそう呼ばれるようになった──と、たまたま駅前を歩いていた年配の方に「二日市」の名の由来を教えていただいた。「二日市駅」といえば、徒歩11分、距離にして850m離れて、西鉄とJRの2つの駅がある。今回は、二日市の名を冠した2つの駅とその周辺について取材した。

西鉄二日市駅

(左)西鉄二日市駅(右)西鉄二日市駅前
(左)西鉄二日市駅(右)西鉄二日市駅前

 福岡市の中心部にある西鉄福岡(天神)駅から西鉄二日市駅までは11駅、約30分で到着する。特急なら14分と、天神~二日市は十分通勤圏内になりそうだ。

 西鉄二日市駅周辺を見渡したが、駅に面した建物は飲食店がほとんどで、居酒屋、ラーメン屋などが多いように見えた。建物は高くても3階建くらいで、ごみごみした感じはない。駅周辺をしばらく歩いてみたが、本当に居酒屋とラーメン屋が多く、裏路地にもそこかしこに出店されていた。駅周辺を見渡しても観光地らしい案内はとくになく、その場所までの足となる特別な交通手段もないようだった。バス停とタクシー乗り場はあるが、大きなスーパーマーケットもあり、地域住民の生活に比重を置いた駅という印象を受けた。

二日市中央通り商店街

二日市中央通り商店街
二日市中央通り商店街

    次に、JR二日市駅まで徒歩で移動してみた。歩いてみると思った以上に道が狭く、地図アプリで最短コースを検索して歩いたのだが、幅が3m以下の狭い道に2階建ての戸建が並ぶ住宅街がそこにはあった。面白いのは、裏路地のように狭い道で戸建住宅が多い住宅地なのに、それと同じくらい飲食店もあるのだ。さらに進むと道はますます狭くなっていく。車はすれ違えないだろう。そんななか、道幅が広くなるところがあった。それがメインストリートである二日市中央通り商店街だ。

 幅広の一方通行道が約300m、両脇に広めの歩道が整備されており、この道沿いにさまざまな店舗が建ち並んでいた。店舗が並ぶ通りは歩きやすく、買い物客も多かった。車が通っても、歩行者が安心して買い物ができるよう考慮された通りのようだ。段差もほとんどなく、お年寄りでも歩きやすいように見えた。大きなスーパーはないが、昔ながらの売店や青果店は多く、「二日市」の由来を見たような気がした。

 近隣では、作州商事(株)による「エイルマンション二日市駅前」(全56戸、24年5月完成予定)が建設中。JR二日市駅まで徒歩2分、西鉄紫駅まで徒歩5分、西鉄二日市駅まで徒歩10分の位置という立地だ。

エイルマンション二日市駅前
エイルマンション二日市駅前

JR二日市駅

 JR二日市駅の駅舎は、どこか太宰府を思わせるような佇まいだった。「歓迎二日市温泉」と書かれた看板も、観光地を思わせる。駅周辺にはいくつか店舗がある程度で、背の高い建物もほとんどない。駅周囲を見渡すと、駅に向かって左側に観光案内所が併設されていた。

 JR二日市駅
 JR二日市駅

 二日市の観光といえば、二日市温泉くらいしか思い浮かばなかった筆者は、さっそく観光案内所を訪問してみたが、残念ながら無人だった。実にのんびりしている。ただ、観光地の案内板があり、二日市周辺の観光スポットは、太宰府天満宮、二日市温泉、天拝山、天拝山歴史自然公園、武蔵寺、御自作天満宮、紫藤の滝、あじさい園、筑紫野市総合公園、筑紫神社などがあることがわかった。

 観光スポットは思ったよりもたくさんあったのだが、いずれも駅からだと車がないと行けない場所にあるようだった。駅からは通常、バスやタクシーで移動するらしい。JR二日市駅は少しのんびりした観光地の駅という印象。創業1673(延宝元)年の福岡県で一番古いという酒蔵や、創業1877(明治10)年の醤油の製造所も駅周辺にはあった。あまりアピールされていなかったのだが、これらは観光スポットに数えてもいいのではないだろうか。

福岡県で一番古いという酒蔵
福岡県で一番古いという酒蔵

 最後に、JR二日市駅からJR博多駅までは8駅、約25分。快速なら20分を切るそうだ。今回、二日市を取材してみたが、天神や博多から30分で行ける場所であるにもかかわらず、のんびりしていて観光もできるまちという印象をもった。

【外部ライター・奥野 晃市】

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