2024年05月03日( 金 )

統一教会問題がもみ消される?

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事(メルマガ版)を抜粋して紹介する。今回は、15日に起こった岸田首相襲撃事件について、各テレビ局の報道がまるで自民党の選挙応援のようにはたらくやり方でなされたことを問題視するとともに、統一教会問題が「モリカケ」のようにうやむやにされてはならないと力説する4月18日付の記事を紹介する。

 岸田文雄首相の遊説先で爆弾テロ事件が発生した。

 身柄を勾留された容疑者は現行の選挙制度に不満を有していたと伝えられている。選挙に立候補することのできる年齢が高いこと、選挙に立候補するために必要な供託金が高額であることが、立候補を妨げる要因になっていることが憲法違反であるとの訴訟を提起していたことが報じられている。

 供託金の問題はかねてより多くの者が指摘してきた。

 高額な供託金制度が存在することが、一般の庶民が被選挙権を行使することの大きなハードルになっていることは事実である。法定得票数を獲得できなければ供託金は没収されてしまう。資金的に余裕のある者しか選挙に立候補することはできない。この制度が合理的であるとは言えない。制度の是正が求められる。

 暴力の行使は正当化されないが、この問題とは切り離して選挙制度の是正を検討する必要がある。また、被選挙権を成人年齢よりも高く設定していることについても見直す余地が存在する。被選挙権を得る年齢が高くなければならないという合理的な根拠は存在しないと言える。

 この事件で問題であると感じられることは、マスメディアの報道が現在行われている選挙に対する中立性を十分考慮していないと感じられる点。事件後の岸田首相の街頭演説だけを繰り返し報道することは自民党の選挙活動をメディアが支援する効果を発揮する。

 岸田首相が遊説に訪れた和歌山市では衆議院和歌山1区の補欠選挙が実施されている。自民党の元議員が出馬しているが、維新が擁立した女性候補者と激しい接戦を展開している。自民候補の応援に入った岸田文雄首相の街頭演説だけをテレビ画面で報道することは自民候補者の選挙応援の意味を有してしまう。

 この効果を踏まえてか、大手キー局が足並みを揃えて岸田首相演説などの映像を繰り返し放映する。問題を報じる場合、選挙の宣伝にならない配慮が必要不可欠だ。事件の大きな問題は警備のあり方。

※続きは4月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「統一教会問題がもみ消される?」で。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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