主権者の力を結集せよ!
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NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、7日に開かれる「TPP交渉差止・違憲訴訟」の第1回口頭弁論において、主権者の傍聴参加について呼びかけた、9月6日付の記事を紹介する。
主権者にとり、政治において大事なのは政策であって政党ではない。最近の政治においては、政党が前面に立って政策が陰に隠れるが、国民生活に影響を与えるのは政策であって政党ではない。政党を基軸にした政治ではなく、政策を基軸にした政治が求められる。
たとえば、安倍晋三自民党は2012年の総選挙の際に、「ウソつかない!TPP断固反対!ブレない!日本を耕す!!自民党」というポスターを貼り巡らせて選挙戦を戦った。そして、6項目の公約を明示して、「国の主権を損なうようなISD条項に合意しない」ことを確約した。その安倍政権が、選挙から3カ月後の2013年3月15日に、TPP交渉への参加を表明した。そして、いま日本がもっとも前のめりになって推進しているTPPには、ISD条項が盛り込まれている。
このような基本を無視した政治を、日本の主権者は許してはならないと思う。TPPは主権者の利益を目指すものでない。TPPはグローバル強欲巨大資本が、日本での収奪を拡大させるための枠組みである。日本農業が破壊され、日本の公的医療保険制度が破壊される。「一般庶民には十分な治療なし」が制度として構築されることになる。食の安心・安全も破壊される。労働者の権利は制限され、企業がより安い労働コストで労働者を雇えるための制度が強制されることになる。そして、TPPに組み込まれるISD条項が、日本の国家主権を失う。
このことは、日本の諸制度をどのように決定するかについての、日本国民の決定権を剥奪するものである。日本全体を、グローバルな強欲巨大資本にいけにえとして捧げるのがTPPであり、それを担保するのがISD条項である。この悪魔のTPPに対して、訴えが提起された。「TPP交渉差止・違憲訴訟」である。交渉差止、違憲確認、損害賠償を求める訴えである。
9月7日(月)午後1時30分より、東京地方裁判所101号法廷において、第1回口頭弁論が開かれる。この公判について、主権者の傍聴参加が呼びかけられている。午後零時40分から、東京地裁正面入口前で門前集会が開かれる。そして、裁判傍聴に向かう。多くの主権者が参集して、TPP阻止を訴えることで、裁判所も慎重な審理を迫られることになる。
裁判所というのは、権力機関の一翼を担う存在であるから、権力に対してものを言う訴えに対しては、基本的に、これを抑圧、踏みつけようとする傾向がある。
そのような権力の横暴を防ぐには、主権者が立ち上がり、具体的に行動を示してゆくことが必要なのである。「誰かが変えてくれる」から「自分たちで変える」に発想を転換してゆかないと、現実を変えることは難しい。
8月30日には12万人の主権者が立ち上がり、行動を示した。この行動によって、暴走する政治権力は肝を冷やしているのである。主権者が一歩踏み出すことによって現実は変わるのだ。
一人の力はたしかに微力だ。しかし、微力であっても無力ではない。主権者の力が結集すれば、日本を動かす大きな力になるのである。※続きは9月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1238号「「誰かが変えてくれる」から「自分たちで変える」へ」で。
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