2024年03月05日( 火 )

インフラの復旧と再整備進め、豊かな資源で賑わい創出へ(後)

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久留米市長 原口 新五 氏

多彩な魅力を伝える発信力がカギ

 ──久留米市の将来像は、どのようなものを思い描かれていますか。

 原口 日本全体で少子高齢化をともなう人口減少が避けられないなか、久留米市でも、直近の約20年間で、市の職員数を約2,000人から約1,800人まで削減するなど、行財政改革に取り組んでいます。高度経済成長期に築き上げてきた仕組みを維持することは難しいため、最終的にはいろいろなものが統合されていくことになると思いますが、DX化による業務効率の向上、既存サービスに付加価値を創出するなどの創意工夫により、市民の生活利便性が損なわれることがないように努めてまいります。

 市内の民間事業者もすでに将来を見据え動き出しており、市の名産でもある小松菜を使用したパスタ「くるめ菜々子」が道の駅くるめで販売されるなど、農業従事者の販路拡大、ひいては6次産業化に弾みがついています。ここに、これまで農業と距離のあった人たちの知見が加わることで、さらに新しい動きが生まれていくことを期待しています。

一番街
一番街

    市としても、道路やスマートICの整備といった社会インフラ整備を通じて、こうした民間事業者の挑戦を後押しできればと考えているところです。その流れのなかで、企業が集積する新たな産業団地の整備についても構想中です。また、西日本鉄道(株)が西鉄久留米駅のリニューアル計画に着手しており、工事が進むにつれて、同駅周辺の街並みも変わっていくと思います。同駅から西へと伸びるアーケード商店街・久留米一番街も、コロナ禍を乗り越え、今では週末ともなると多くの人出で賑わっています。

 相応の交流人口があるなかでの西鉄久留米駅のリニューアルということもあり、市としても周辺地域における再開発の契機になればと考えています。民間投資の誘発効果が生じれば、官民連携も促進されるはずです。そうなれば、たとえば岩田屋久留米店側の道路は現状国道3号線側が片側1車線なのですが、4車線化することで交通渋滞の解消、安全性の向上を図るなど、都市づくりにもさまざまな選択肢をもたせることができます。同駅の西口、東口エリアは混雑することが少なくなく、再開発によって動線を最適化できれば、まだまだ新たな賑わいを創出できる余地が残されていると思います。

 久留米市は水と緑が豊かな地域で、先ほどの小松菜をはじめ、新鮮な食材を生かしたおいしいものが数多くあります。しかし、そうした市の財産を市外へと伝える情報発信力に課題があると感じています。とんこつラーメンの発祥の地は久留米市ですが、全国的なイメージとしてはとんこつラーメン=博多です。久留米市は7月の大雨などのイメージが全国的には強いのかもしれませんが、そのイメージを払拭する魅力的な逸品、観光スポットがたくさんあります。これらを市が先頭に立って積極的に情報発信していくことが、今後ますます重要になっていくと考えています。

将来への期待に溢れるまち・久留米

久留米市庁舎
久留米市庁舎

    ──最後に、改めて久留米市の強み、目指す理想の姿についてお聞かせください。

 原口 市では、オリンピック・パラリンピックなどの国際大会で活躍することが期待できる市内在住、または市ゆかりのジュニアアスリートを対象に、練習や合宿などの活動を支援する、トップアスリート支援事業に取り組んでいます。「2023アジア選手権トラック」において、池田瑞紀選手がチームパシュート・金メダル、ポイントレース・銅メダルに輝くなど、市のトップアスリート強化認定選手が次々と好成績を収めています。

 彼らが将来、世界的なアスリートへと成長した際に、久留米市での思い出などをSNSなどで発信してくれれば、市としては積極的にスポーツを推進している都市としての知名度向上につながり、才能ある若きアスリートを市へ招くきっかけづくりにもなります。

 ほかに、日本有数の酒蔵数を誇る地域であること、全国の水天宮の総本宮があることなど、まだまだ伝えきれていない久留米市の取り組みや魅力を積極的な情報発信で市内外へ伝えることで、集中豪雨の被災地という久留米市のイメージを、誰もが働ける場所があり、安心・安全で住みやすく、食を含む観光資源が豊富な、多様性に富む魅力的な都市というイメージへと更新していくことが、まずは大切だと思います。

 この新たなイメージを実現するためにも、構想中の新たな産業団地整備、西鉄久留米駅のリニューアルを契機とした同駅周辺エリアの再開発の可能性についても、官民連携などを通じて幅広く意見を募ることで、議論を深めていければと考えています。

(了)

【聞き手:内山 義之/文・構成:代 源太朗】


<プロフィール>
原口 新五
(はらぐち・しんご)
1960年4月、久留米市出身。福岡教育大学附属久留米小学校を経て久留米市立諏訪中学校卒、柳川商業高等学校卒。83年3月福岡大学体育学部中退。89年11月久留米市議会議員(3期9年4カ月)、99年4月に辞職。2003年5月久留米市議会議員(5期18年7カ月)、09年6月久留米市議会副議長(2年)、11年5月同議長(4年)、2022年1月久留米市長就任。

(前)

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