2024年07月21日( 日 )

日進建設&琉総 技術力と人間力で日本の土木を支える(前)

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 深刻な働き手不足が叫ばれる建設業界。しかし、その世界で技術力を武器に日本の土木を支えるべく、新たに乗り出した企業がある。2022年に設立された琉総と、今年新社長が就任した日進建設だ。建設業の荒海に乗り出した熱い想いについて、両社のオーナーである脇坂琢爾氏と、日進建設社長・田内文博氏に話をうかがった。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役社長 緒方 克美)

土木を支える企業を目指して

日進建設社長・田内文博氏(左)と、オーナーの脇坂琢爾氏(右)
日進建設社長・田内文博氏(左)と
オーナーの脇坂琢爾氏(右)

    ──会社設立までの経緯を教えてください。

 脇坂琢爾氏(以下、脇坂) 私は現在53歳です。大手ゼネコンに勤めていたときに、福岡商工会議所の仲介で2020年に(有)日進建設を買収しました。しかし、副業で経営は難しいのでゼネコンを辞めて経営に専念することにしました。辞めると同時に、22年9月に技術者派遣に特化した(株)琉総を設立しました。私は日進建設と琉総のオーナーです。いずれの代表取締役でもないのは、私自身が技術者として最前線で飛び回るためです。

 ──会社の規模と請け負う分野は。

 脇坂 琉総は土木を中心とした技術者派遣で私を含めて6人。皆、私の現場で働いたことがある技術者で、ゼネコン、測量、地盤改良などの建設業経験者で構成されています。現場は、私が北陸、関東に3人、九州に2人赴任中です。すべて無期限雇用契約です。今期は、5人の入社を予定しています。派遣業の他にも、測量業、労働安全コンサルタント業務も請け負っています。
 田内 日進建設は私を含めて5人、こちらも土木中心ですが、私が造園の経験が長いのでそちらの仕事も請け負うことができますし、前社長の宮崎が2級建築士をもっており建築もしていましたので、小規模の建築物などを請け負うこともあります。

 脇坂 琉総では原則、建設業経験者のみを採用としていますが、人材確保が難しいため、未経験者は、先ず日進建設で採用し、一定期間、建設業の基本を学んでもらいます。一定のレベルに達したら、琉総に転籍、もしくは、そのまま日進建設にとどまってもらうことを働く方に選択してもらうスタイルを考えています。未経験者の方が、いきなりハイレベルなゼネコン現場に派遣されても対応できるわけがありません。ゼネコン時代には、つらい思いをしている多くの派遣技術者を見てきました。当社ではそういった事態にならないよう配慮したいと考えています。

 ──現在のメインの取引先はどちらですか。

 脇坂 メインの取引先は大手ゼネコン2社、準大手ゼネコン1社、専業社1社です。大手ゼネコンに勤めていたとき、上司である部長に、「建設業に特化した人材派遣会社を立ち上げ、後進の育成や建設技術の継承に注力したいと考えている」と相談しました。部長は「君の会社なら仕事を依頼するから頑張れよ」と背中を押してくれました。実際、独立した後にその元上司の協力もあって、前職のゼネコンとは良いお付き合いをさせてもらっています。また、古くからの友人、知人、かつての協力業者等の伝手で仕事をいただいています。各社いずれからも当社技術者は、高い評価をもらっています。人とのつながりが非常に大事であると感じる経験をさせてもらっています。一方で技術者の数が少ないため、新規取引のご依頼や技術者派遣のご要望にお応えできていない課題も抱えており、秀逸な人材の確保が急務となっています。

 田内 日進建設は、地元密着型の民間工事と公共工事がメインです。ゼネコンとは現在、取引はありませんが、以前には実績がありますので、今後はゼネコンの下請工事にも力を入れていきたいと思っています。

 ──現場作業員から施工管理にコンバートされたとうかがっています。脇坂さまは、どのような資格をお持ちですか。

 脇坂 技術士(建設部門:施工計画、施工設備及び積算)を始めとして、労働安全コンサル(土木)、1級施工管理技士としては土木、建築、造園、管、建設機械、民間資格の1級舗装施工管理技術者を保有しています。若い時は、現場作業をしていましたので、潜水士、1級小型船舶の他、車両系建設機械、型枠組立等の作業主任者、アーク溶接等の特別教育も保有しています。変わったところでは、公園管理運営士、植栽基盤診断士なども保有しています。私は、高校、大学などで専門に土木を学んでいないので、私が培ってきた技能や技術を補完するものとして資格はなくてはならないと考えています。また、若者たちをけん引する存在であるには「率先垂範」が重要と考え、今後も、資格取得には力を入れていきます。

日進建設社員ら。前列右から2人目、宮崎征司・取締役(前社長)
日進建設社員ら。
前列右から2人目、宮崎征司・取締役(前社長)

    ──田内さまはどのような経験を積んでこられましたか。また、お2人が知り合ったきっかけは。

 田内 私は現在37歳です。8年間造園の仕事をしてきました。最初は造園業で1人で独立しようと思っていましたが、脇坂氏に資格取得のアドバイスをしてもらったのがご縁です。脇坂氏はたくさん資格をもっており、経験も豊富で、さまざまなことを教えてもらえるので、一緒に仕事をさせてもらおうと思いました。昨日、今日も脇坂氏の顧客訪問に同行しています。土木技術を学びながら、会社経営をしていくことは大変ですが、遣り甲斐や生き甲斐を感じており、楽しくやらせてもらっています。

 脇坂 私はネット上でかれこれ6年ほど資格試験対策や技術上のいろいろなアドバイスをボランティア同然で行っており、それが縁で田内氏とも知り合いました。私がそういう活動を行っているのも、若い人たちに技術を伝えていきたい、技術を継承してほしいという思いからです。田内氏のように志のある若い人に高い技術を身に着けてもらって日本の土木を支えて欲しいと強く願っています。

(つづく)

【構成:寺村 朋輝】


<COMPANY INFORMATION>
(有)日進建設社 名:(有)日進建設
代 表:田内 文博
本 社:福岡県福岡市西区泉2-15-5
設 立:1984年5月
資本金:300万円
TEL:092-806-4272
URL:https://www.ryo-koh.com/

(株)琉総社 名:(株)琉総
代 表:脇坂 和美
本 社:福岡県福岡市早良区高取1-21-10-105
設 立:2022年9月
資本金:2,000万円
TEL:092-407-9517
URL:https://www.ryusou-kfh.com/

(後)

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