2024年10月13日( 日 )

小沢一郎元代表の正論

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「立憲民主党は野党共闘を否定するたびに政権交代の可能性から遠ざかっている。今こそ政権交代を実現するために野党共闘を模索せよ」と主張した11月17日付の記事を紹介する。

 岸田内閣の支持率暴落が止まらない。

 時事通信社が11月10~13日に実施した11月世論調査での岸田内閣支持率が前月比5.0ポイント減の21.3%になった。岸田政権で過去最低だった前月を大幅に下回った。また、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降に実施された調査でも最低値を記録したとのこと。他方、内閣不支持率は前月比7.0ポイント増の53.3%となり、岸田内閣での最高値を記録した。

 政権末期の様相が強まっている。直ちに内閣退陣に進まないのは、野党第一党である立憲民主党の気魄が足りないから。

 立憲民主党の泉健太代表は11月4日、東京の法政大学で講演し、学生から立憲民主党のビジョンについて問われて、「5年で政権交代を考えている。」と述べた。岸田内閣がいま崩壊しようとしているときに、5年後の政権交代を考えているというのだから開いた口が塞がらない。

 泉氏は、「前回(2021年)の総選挙で僕らが150議席をとっていれば、次は当然政権交代と言いたい。もう一回再生していくには手順が必要。そういう意味で5年。次の総選挙でしっかりと基盤を築いて、ホップ、ステップで(政権を)とれる。そういうものを目指している。」と述べたと報じられた。

 2021年の総選挙で立憲民主党は大敗した。その責任を取って枝野幸男氏が辞任した。後任代表に泉健太氏が就任したが、2022年夏の参院選で立憲民主党はさらに深刻な敗北を喫した。

 立憲民主党の比例代表選挙絶対得票率(全有権者数に対する得票の比率)は以下の通り。
 2021年10月衆院総選挙 11.2%
 2022年7月参院通常選挙 6.4%
 2021年10月総選挙で立憲民主党は大敗したが、2022年7月参院選での立憲民主党敗北はその比ではない。「ホップ・ステップ・ジャンプ」というより、「よろよろ、ふらふら、ご臨終」だ。

 2021年総選挙で立憲民主党が敗北した原因は明確。枝野幸男氏が野党共闘を否定したのである。枝野幸男氏は選挙期間中に記者の取材にこう答えた。

 「「野党共闘」というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う」

 立憲民主党の共闘の対象は国民民主党と連合であって、共産党、社民党、れいわ新選組は共闘の対象ではないとの意味を述べた。

 この発言で立憲民主党支持者が一斉に離反した。離反した有権者は、立憲民主党が共産、社民、れいわと共闘し、政権交代を目指すと考えて立憲民主党を支援してきた。ところが、立憲民主党が共産、社民、れいわとは共闘せず、国民民主と連合とだけ共闘するというなら、金輪際支持できない。このことで立憲民主党は支持者を一気に失った。

 後任の立憲民主党代表に就任した泉健太氏は、驚くべき対応を示した。枝野幸男氏以上に、共産との共闘を否定したのである。その結果として、立憲民主党は2022年7月参院選で大惨敗を喫した。

 本来は、この時点で代表を辞任すべきだった。ところが、泉健太氏は代表の座にしがみついた。結果責任を取らない人物が代表を務める政党に未来はない。

 岸田内閣が明日にも倒れそうな状況だが、野党第一党に対する期待は一向に高まっていない。このなかで、10月22日、徳島・高知選挙区の参院補選が実施され、野党系無所属候補が勝利した。野党共闘の威力が発揮された。

 翌10月23日に、立憲民主党の泉健太代表と日本共産党の志位和夫委員長が国会内で会談し、次の総選挙で「連携と力合わせ」をすることを確認した。泉氏が心を入れ替えて共産党を含む共闘を推進するなら道は開ける。

 しかし、連合が横やりを入れて、泉氏の言動はすぐに揺れ動いた。これでは政権交代など夢のまた夢にならざるを得ない。

※続きは11月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「小沢一郎元代表の正論」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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