2024年05月12日( 日 )

空室解消のためのペルソナ設定のポイント

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ペルソナは細かく設定

    とにかく誰でもいいから入居してほしい──そう思う不動産会社さんは多いと思います。しかし、マーケティング上、それではターゲットがぶれてしまい、本当に入居してほしいお客さまへの広告が響かなくなります。物件にはそれぞれ「ファミリー向け」「学生向け」といった強みがありますよね。ですからまずは、その物件の強みを生かせるターゲット=入居してほしい人を明確にする必要があります。

 明確にする方法として、「ペルソナを設定する」という考え方があります。ペルソナとは、訴求したいターゲットのなかから抽出した1人のことを指します。たとえば、ターゲットが20代学生の場合、ペルソナ設定は「一人暮らしを検討している20代の女子学生」という感じで、より細かくイメージするのです。

 その物件に住んでほしいペルソナをあらかじめ細かく設定することはとても重要です。そして、設定する場合には、男性なのか女性なのか、その年齢層はもちろん、家族構成や住まい、世帯年収、出身地、性格、職業、趣味、生活リズム、よく使うSNS等々、事細かく決めていくのです。

 ここで、「そんなに事細かく決めたら母数が少なくなり、かえって逆効果じゃないの?」という疑問が湧いてくることと思います。しかし、ペルソナを細かく設定することにより、「どういった悩みをもっているのか」「その悩みを解決するためにどのような行動をとるのか」がわかりやすくなり、より訴求しやすいキャッチコピーも浮かんできやすくなります。つまりペルソナを細かく設定することで、結果的にはターゲットに訴求しやすい広告を作成できる可能性が高まるのです。ペルソナを細かく設定しすぎて損はありません

ペルソナの設定例

 実際にペルソナを設定してみましょう。たとえば、2LDKで家賃が12万円の部屋(築7年、RC造、駅から徒歩15分以上、屋根付き駐車場有、近くにスーパー有)を満室にしたいとします。そこで、次のようなペルソナを設定しました。

  • 性別:男性
  • 年齢:35歳
  • 家族構成:妻と子1人(3歳)
  • 職業:新車の営業
  • 年収:500万円
  • 趣味:ドライブ、ジムで体を鍛える、子どもと遊ぶ
  • 平日の過ごし方:仕事メイン、ジムに行く
  • 休日の過ごし方:家族でドライブに行く、子どもと遊ぶ
  • 特徴:人に好かれる、明るい、多忙、車に対してのこだわりが強い、面倒くさがり、仕事大好き、ITに慣れていない
  • よく使うSNS:LINE、YouTube(子どもと一緒に見る)

 実際に考える際には、もっともっと細かい情報──たとえば会社の規模や好きな芸能人なども設定してくださいね。次回も役立つマーケティング情報をお送りします。


<プロフィール>
山本 啓一

(やまもと・けいいち)
1973年生まれ。大学に5年在学し中退。フリーターを1年経験後、福岡で2年ほど芸人生活を送る。漫才・コントを学び舞台や数回テレビに出るがまったく売れずに引退。27歳で初就職し、過酷な飛び込み営業を経験。努力の末、入社3年後には社内トップとなる売上高1億円を達成。2004年、31歳でエンドライン(株)を創業。わずか2年半で年商1億2,000万円の会社に成長させる。「エッジの効いたアナログ販促」と「成果が見えるメディアサービス」でリアル店舗をモリアゲる「モリアゲアドバイザー」として、福岡を中心として全国にサービス展開中。

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