2024年04月29日( 月 )

新体制アビスパ始動!目標は「6位以上」

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は12日、福岡市内で新体制発表会を開いた。5人の新加入選手、長谷部茂利監督、川森敬史代表取締役会長らが出席し、今シーズンへの意気込みを語った。

 2年連続10ゴールを挙げたFW山岸祐也、最前線で身体を張り続けたFWルキアン、ワールドクラスの運動量とスケールの大きさを見せたMF井手口陽介ら主力がチームを離れ、選手の顔ぶれが大きく変わることになった2024年シーズン。この新体制発表会は、まずうれしいサプライズで幕を開けた。

 川森会長、長谷部監督の挨拶に続いてマイクを握った柳田伸明強化部長が新加入選手を紹介する。すでに報じられていた4人に加えて読み上げられた名前に、サポーターが大きくどよめいた。FWナッシム・ベンカリファは元スイス代表。22・23年はサンフレッチェ広島でプレーし、71試合で10ゴールをあげている。豊富な運動量で前線からプレスに走り、味方を生かすプレーを得意とする。性格も真面目で日本によく馴染み、長谷部サッカーとベストマッチが期待できる有力選手だ。

左からFWベンカリファ、MF松岡、FW岩崎、長谷部監督、MF重見、GK菅沼
左からFWベンカリファ、MF松岡、FW岩崎、長谷部監督、MF重見、GK菅沼

 ベンカリファ以外の新加入選手も粒ぞろい。サガン鳥栖から清水エスパルス、そしてブラジルでの武者修行を経てアビスパに加入した元日本代表MF松岡大起は、中盤を主戦場とするボランチ。パリ五輪代表入りを目指す俊英だ。

 パリ五輪代表といえば、福岡大出身のMF重見柾斗。昨年のアジア大会に松岡とともにU-23代表として出場した。昨年はアビスパでプロのピッチにも立ち、質の高いプレーでアビスパサポーターをうならせたが、本人は「最低限のことしかできなかった」と不満顔。今シーズンは「5ゴール5アシスト」を目標に掲げ、ポジション争いに挑む。

 鳥栖から加入した元日本代表FW岩崎悠人は、恵まれた走力を生かした強烈なドリブル突破が武器。昨シーズン活躍したFW金森健志、FW紺野和也らとはまた違ったプレースタイルで、アビスパの攻撃に幅を加えてくれる。

 福岡大出身のGK菅沼一晃は、全日本大学選抜やU-23日本代表に選ばれた経験を持つ逸材。アビスパの激しいGKレギュラー争いに割り込んでいけるか、期待が高まる。

 長谷部監督が今シーズンの目標として掲げたのは、「リーグ戦6位以上・カップ戦(天皇杯・ルヴァン杯)ベスト4以上」。昨シーズンはリーグ戦7位、カップ戦は天皇杯ベスト4・ルヴァン杯は優勝をはたした。そこからさらに一歩ずつ上を目指そう、という狙いだ。

 そのために必要なのは、既存メンバーのブラッシュアップと新戦力の補強。「今いるメンバーをどう仕上げていくか」という意味では、長谷部監督の手腕に疑いはない。一方、戦力補強が十分かどうかだが、ここはあえて「これで十分」と太鼓判をおしてみたい。今回新加入となった5選手のうち、福岡大から加入した重見と菅沼は昨年チームに帯同し、その実力は把握済み。ベンカリファ、松岡、岩崎も、それぞれJ1の各チームで確固とした実績を積み上げている。つまり、「謎の新外国人」や「J1で通用するかは未知数」という選手はいないのだ。プレースタイル、身体能力、性格やキャラクターなどに不明な点がない、というのは大きなアドバンテージといえる。

 5年目を迎えた長谷部アビスパは、史上最高の結果を残した昨シーズンの土台に新しい色を加えながら、さらに高みを目指す。2024年シーズンは、ホームのベスト電器スタジアムでの北海道コンサドーレ札幌戦で開幕する(日程は2月23・24・25日のいずれか)。よりスピーディーで、よりダイナミックな新・アビスパ福岡を、ベスト電器スタジアムで目撃しよう!

【深水 央】

関連記事