2024年04月29日( 月 )

中国の新型エネルギー貯蔵が急速発展

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 国家エネルギー局はこのほど行った記者会見で、2023年の中国の新型エネルギー貯蔵の発展、エネルギー分野の重点プロジェクトの投資などについての状況を説明した。そのなかで発表されたデータによると、23年のエネルギー関連投資は急増傾向を維持し、そのうち新エネ関連の実行ベース投資額は前年比で34%以上増加した。新型エネルギー貯蔵の発展が急速で、エネルギー貯蔵設備の新設規模は約2,260万kW/4,870万kWh、全国電力市場の電力取引量は同7.9%増の5兆7,000億kWhだった……。エネルギー分野の新たな発展が経済に持続的に活力を注ぎ込み、原動力を増加させている。

全国のエネルギー投資成長率が
高水準をキープ

太陽光 イメージ    23年の中国エネルギー分野では、重点プロジェクトの実行ベース投資がどのような状況だったのだろうか。

 23年にはエネルギー業界がエネルギー安全保障とグリーン・低炭素トランスフォーメーションを統一的に推進し、エネルギー投資の持つ牽引的役割を力強く効果的に発揮し、石炭、電力、石油、天然ガスのインフラ投資のポテンシャルを持続的に顕在化させ、新エネルギーと新業態のプロジェクトの実物作業量の加速度的な形成を推進した。モニタリングによると、全国の建設中または年内に着工予定のエネルギー重点プロジェクトの投資額(実行ベース、以下同)は約2兆8,000億元(1元は約20.5円)に上り、成長率は前年同期を1.6ポイント上回った。

 新エネ関連の投資を見ると、太陽光発電の投資額は6,700億元を超え、雲南省、河北省、新疆ウイグル自治区の3省区の集中型太陽光発電の投資額の成長率がいずれも100%を超えた。風力発電の投資額は3,800億元を上回り、遼寧省、甘粛省、新疆の3省区は陸上風力発電への投資の実施ペースが加速し、広東省、山東省の2省は新規の大型洋上風力発電プロジェクトへの投資が集中的に行われた。

 サポート的・調整的電源への投資を見ると、投資額の成長率が12%を超えた。建設中の原子力発電プロジェクトが全面的に推進され、年内に新たに承認されたプロジェクトが実物作業量を加速度的に形成した。大型水力発電プロジェクトへの投資が持続的に回復・好転した。

 エネルギーの新業態への投資を見ると、総合エネルギーへの投資額が急増し、西北地域の複数の電源・電力網・負荷・エネルギー貯蔵の一体化プロジェクト、マルチエネルギー相互補完プロジェクトが加速度的に推進された。新疆、甘粛、湖南省、山東、重慶市、広東の6省(区・市)の電気化学的エネルギー貯蔵への投資が急増した。内蒙古(内モンゴル)自治区と新疆では複数のグリーン水素プロジェクトが秩序よく推進された。

 国家エネルギー局の張星報道官は記者会見で、「23年に当局は全国のエネルギー重点プロジェクト建設を積極的に推し進め、全体として見ると、全国のエネルギー関連投資の成長率は高い水準を保った」と述べた。

新型エネルギー貯蔵が
多くの応用シーンで効果を上げる

 同局エネルギー節約・科学技術装備司(局)の辺広琦副司長(局長)は、「23年末現在、全国の建設が完了した新型エネルギー貯蔵プロジェクトで建設され稼働した設備の規模は累計で3,139万kW/6,687万kWhに達し、平均エネルギー貯蔵時間は2.1時間だった。投資の規模を見ると、第14次五カ年計画(2021-25年)以降、新たに設置された新型エネルギー貯蔵設備が1,000億元を超える経済的投資を直接推進し、産業チェーンの川上から川下までのさらなる開拓発展をもたらし、中国経済発展の『新たな原動力』になった」と説明した。

 辺副司長は、「技術的に見ると、新型エネルギー貯蔵の新技術が次々に登場している。リチウムイオン電池によるエネルギー貯蔵が圧倒的な主導的地位を占めるほか、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)、フロー電池エネルギー貯蔵、フライホイールを利用したエネルギー貯蔵などの技術が急速に発展した。23年以降、複数の300MW級圧縮空気エネルギー貯蔵プロジェクト、100MW級フロー電池エネルギー貯蔵プロジェクト、MW級フライホイール利用のエネルギー貯蔵プロジェクトの建設工事がスタートし、重力蓄電、液化空気エネルギー貯蔵(LAES)、二酸化炭素(CO2)を利用したエネルギー貯蔵などの新技術が応用され、全体として多様化した発展状況だった」とした。

 辺副司長はまた、「新型エネルギー貯蔵のマルチ応用シーンが効果を発揮し、新型電力システムの構築を力強く下支えした。第1に、新エネの開発・消費を促進することだ。23年末現在、設置された新エネルギー貯蔵設備の容量は約1,236万kWになり、主な分布先は内蒙古、新疆、甘粛など新エネの発展が急速な省(区)だ。第2に、システムの安全で安定した運営レベルを高めることだ。独立・共有のエネルギー貯蔵設備の容量は1,539万kWに達し、割合が上昇傾向にあり、主な分布先は山東、湖南、寧夏回族自治区などシステムの調節ニーズが大きい省(区)だ。第3に、ユーザーの円滑で高効率のエネルギー利用に寄与することだ。広東、浙江などの省の商工業ユーザー向けのエネルギー貯蔵が急速に発展した」と述べた。

 同局市場監督管理司の劉剛副司長は、「当局は全国統一の電力市場体系の建設を積極的に推進して、積極的な成果を達成した。24年は、電力市場の建設を統一的に推進し、電力補完サービス市場の制度を整備し、省レベル電力市場の建設をさらに推進し、地域の電力市場の建設を着実に推進し、電力市場の監督管理を強化し、公平な競争が行われる市場の秩序を維持する」と述べた。


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