中国で「二世社長」就任ラッシュ 上場企業280社が交代
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中国の飲料大手「ワハハ」は、創業者である宗慶後氏の死去にともないトップの座を受け継いだ宗馥莉氏が、この1年間で関連会社の数を一段と増やした上、社内の管理制度や賃金体系などを改革し、2024年は売上高が700億元台に回復した。宗馥莉氏は以前、「会社の受け継ぎも一種の創業だ」と述べていた。
中華全国工商業連合会のまとめでは、中国では民間企業のうち80%以上が同族会社である。これらの多くはトップが創業者から2代目に交代する時期を迎えており、「碧桂園」の楊惠妍氏、飼料業界大手「新希望」の劉暢氏、「海瀾集団」の周立宸氏、「森馬服飾」の邱堅強氏など、親族が経営権を受け継ぐかたちをとっている。
このように「二世社長」が就任した会社の数や、就任後の業績について、澎湃美数課の中国研究データサービス(CNRDS)が上海と深圳に上場している同族会社のデータベースを基に現状分析した。
2022年の時点で、「新希望」「森馬服飾」「春秋航空」「益豊大薬房」など名の知れた多くの企業がトップ交代をはたしており、後継者となった二世社長は、学歴面や海外留学の経験など創業者を上回る経歴の持ち主も多かった。「新希望」の創業者である劉永好氏の娘の劉暢氏はまさにその典型例であり、弱冠26歳にして資産額26億元で中国最年少の女性富豪となり、13年には33歳でグループ内最大の企業である「新希望六和」の会長に跡継ぎとして就任した。
現状に満足せず事業の改革を求める二世も存在している。海瀾集団は20年、32歳で後任としてトップに就任した周立宸氏が、オンラインでの売上を増やそうと「社長ライブ」として自らライブコマースに出演した。また「ワハハ」の宗馥莉氏は広報部長に就任後、20年間商品キャラクターを務めてきたワンリーホンに対し、「もう年を取っていて、消費者も『食傷気味』だ」との理由で契約を打ち切った。
さらに広範囲な視点で上場会社に目を向けてみると、息子の嫁やおいなどを後継者とする「レアケース」もある。CNRDSのデータベースにおける同族会社975社を調べると、22年の時点で少なくとも280社がトップ交代しており、このうち2代目は創業者の息子が80%、1970年代生まれが4割弱で、少なくとも9人が90年代生まれの会長となっている。また、「全新好」の練衛飛氏や「未明医薬」の于秀媛氏など、娘婿や息子の嫁が跡取りとなるケースも見られる。
德和衡弁護士パートナーである田小皖氏が2023年に公開情報をまとめたところ、民間の上場会社4,000社弱における会長の年齢は、50~60歳が50%以上で、65歳以上が300人余りであった。
ただし、輝かしい実績を残した創業者から受け継いで一段と業績を伸ばすのは容易ではない。以下8社の有名な上場同族会社のうち、2代目になっても利益を伸ばし続けているのは「葵花薬業」のみである。
南京大学政府管理学院の黄傑助手が24年に発表した研究結果によると、今の世代交代ラッシュのなかで「2代目」が徐々に表舞台に押し出されている。その際に企業の安定経営を確保するほか、産業の構造改革のさなかで会社の新旧交代も必要とされ、うっかりミスで重大な事態を招くこともあり得る。
ただ、民間経済研究会の「家族企業委員会」が作成した「家族企業生態40年」によると、株式は子どもに譲るがマネジメントは経営のプロに委ねるというかたちをとる創業者が増えている。
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