次期九経連会長に九電池辺氏就任へ 12年ぶり九電出身者

 九州経済連合会の新会長に九州電力の池辺和弘代表取締役社長が就任する見通しだ。5月の理事会での内定を経て6月の総会で正式に決定される。現任の倉富純男会長(西日本鉄道代表取締役会長)は2021年6月から務めており、退任後は名誉会長に就任する。倉富会長は在任期間中、半導体産業の集積促進、「my route」によるMaaS(Mobility as a Service)サービスの提供、「ツール・ド・九州」の開催などに尽力した。

 九経連では、1961年の設立以来、九電出身者が会長を務めてきた。しかし、2011年に玄海原子力発電所の運転再開をめぐり、やらせメール事件が発生。不祥事を受けて九電は13年から会長職を手放していたが、12年ぶりに出身者が就任することとなった。

 エネルギー価格の高騰や電力を多く消費する半導体産業の集積が進むなかで、電力インフラの整備や、安定供給体制の構築が喫緊の課題となっている。こうした状況のなか、エネルギー政策に精通する池辺氏の手腕に期待しての人事とみられる。

【茅野雅弘】

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