九州FG、25年3月期決算 純利益15.0%増で過去最高を更新

 12日、(株)九州フィナンシャルグループ(本社:熊本市西区、笠原慶久代表)は2025年3月期の連結決算を発表した。それによると、経常収益は2,512億9,200万円(前期比12.9%増)、経常利益は429億9,100万円(同11.8%増)、当期純利益は303億6,800万円(同15.0%増)で、いずれも過去最高を更新した。

 決算要因について、まず主業の銀行業セグメントについて主な収益と費用についてみると、金利上昇局面を追い風に主要な収益項目が軒並み伸長した。資金運用収益は1,352億5,200万円(前期比12.7%増)、内訳は貸出金利息が856億6,800万円(同8.3%増)、有価証券利息配当金は363億9,400万円(同27.5%増)と、いずれも大幅な増収となった。

 一方、資金調達費用は315億5,100万円(同21.2%増)となり、内訳は預金利息が62億8,700万円(同2237.2%増)となり、日銀のマイナス金利政策解除を受けた普通預金・定期預金金利の引き上げが影響した。これはコスト増要因ではあるが、利鞘改善と資産運用収益の伸長がそれを大きく上回った。

 役務取引等収益も堅調に推移し、283億9,500万円(同7.1%増)となった。法人顧客向け融資手数料や住宅ローン保証料、投資信託販売手数料など、非金利収益が安定的に拡大しており、グループ全体の収益構造の多様化に寄与した。

 また、営業経費は795億8,400万円(同2.1%増)と緩やかに増加したが、DX推進による効率化とコスト抑制努力により、経費増は限定的に抑えられた。

 これらの結果、銀行業の経常収益は2,073億7,000万円(同14.0%増)、セグメント利益は416億6,800万円(同9.0%増)となり、収益・利益ともに過去最高水準を更新した。

 リース業では、経常収益が397億4,600万円(同3.8%増)となったものの、調達コストの上昇や償却費の増加などが影響し、セグメント利益は16億9,600万円(同17.5%減)と減益となった。

 来期(26年3月期)は、経常利益480億円(前期比11.6%増)、当期純利益は335億円(同10.3%増)を予想しており、引き続き大幅増益を見込む。

【寺村朋輝】

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