10日午前、福岡市中央区今泉の国体道路(国道202号)で起きた陥没事故は、夜を徹しての埋め戻し工事が行われ、通勤ラッシュ直前の午前6時50分ごろ、すべての作業が完了し通行規制が解除された。通行規制の影響で迂回運行をしていた西鉄バスも、現在は通常通りのルートで運行されている。

事故発生直後から二次被害の懸念もあるなか、国体道路の現場付近4車線と歩道の一部が警察によって規制された。福岡市中心部・天神に近いエリアということもあり、一刻も早い復旧が求められていた。

昼前から工事関係車両が次々と到着し、10日午後3時ごろから陥没箇所と周辺にミキサー車で流動化処理土が注入され、復旧工事が行われた。市によると今回復旧に使われた「流動化処理土」は2016年に起きた博多駅前の陥没事故の200分の1程度の量だったという。

工事では陥没箇所の空洞を埋めて新たな地盤を構築したうえでアスファルトを敷設した。しかし、10日夜半から再び雨が降ったこともあり、当初予定していた午前5時半には完了せず、最終的には午前6時50分ごろに作業が完了した。
なお10日は福岡市議会の開会日であったが、報告を受けた高島宗一郎市長が午後0時半ごろ現場に駆けつけ、関係者からのヒアリングを実施。高島市長は夕方に再度現場を訪れ、現場の状況や進捗について工事関係者から聞き取りを行った。11日朝にも工事完了と通行再開を見守り、工事にかかわった関係者に感謝とねぎらいの言葉をかけた。

高島市長は11日午前7時15分ごろ、自身のFacebookで「激しい雨の中での作業となったことや従前の舗装を全て剥がすのに時間がかかったことから、最終的なアスファルト敷設に入るのが5時過ぎになった──」と状況を説明し、「予定より2時間遅れの6時50分にはすべての作業が完了いたしました」と復旧完了を報告した。
当該工事は道路下水道局の案件だが、所管する生活環境委員会所属の市議に対し、同局の担当者が説明を行っている。
【近藤将勝】