22日の国会会期末が迫るなか、与野党は、選択的夫婦別姓に関する立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党が提出した法案について、今国会での採決を見送り、継続審議とする方向で調整を進めている。
衆議院法務委員会は17日、2回目の参考人質疑を実施。保守派の論客として知られる八木秀次・麗澤大学教授や、別姓制度の実現を目指す当事者団体「あすには」の井田奈穂代表理事らが意見聴取と質疑に応じた。
八木氏は「夫婦別姓の導入はほかの法制度に大きく波及し、国のかたちを変えるもの」と指摘し「家族解体を図りたいという主張が背景にある」と導入に反対の立場を示した。
一方、井田氏は「委員会審議での『困っている人はいない、いたとしても極めて少数だ』という発言は残念だし、多くの当事者が傷ついている」と述べ、制度の早期実現を訴えた。
選択的夫婦別姓をめぐっては国民の間でも賛否が分かれている。伝統的家族制度を重視する保守派の支持を失うことを懸念する自民は、党内での結論を先延ばししており、公明は制度導入に賛成の立場ながら、野党案への賛同には慎重な姿勢を見せている。
現在、衆議院法務委員会の委員長を務めるのは立憲民主党の西村智奈美氏であり、委員長職権による採決も可能だが、3法案いずれも過半数を得る見通しは立っておらず、仮に強行採決しても廃案となる可能性が高い。このため、今国会での採決を見送り、継続審議とすることで与野党間の合意が進められている。
【近藤将勝】
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