創業50周年で再び黄金期を迎える「物流施設のオオタカ」100年企業への挑戦|大高建設

<COMPANY INFORMATION>
大高建設(株)

代 表:大木孝一郎ほか1名
所在地:福岡市博多区上牟田1-29-6
設 立:1975年3月
資本金:9,500万円
TEL:092-414-2222
URL:https://www.o-taka.com


 設立から50周年を迎え、2025年3月期には過去最高の売上高を記録した大高建設(株)。顧客との強固な信頼関係と卓越した技術力を基盤に、「現場第一主義」の精神を次代に継承している。難局を乗り越え、奇跡的な事業承継を実現した同社は、次の50年を見据え、100年企業への挑戦に邁進している。

【目次】

地域から望まれて誕生

本社社屋
本社社屋

    大高建設(株)は1975年3月に設立され、2025年に創業50周年を迎えた。設立のきっかけは、創業者の大木孝朋会長らが勤務していた岡﨑工業(株)福岡支店の閉鎖だった。当時手がけていた流通センターの関係者や地権者から「大木さんらがいないと困る、全面的に支援したい」と強く請われ、髙﨑彰一氏らと独立を決意した。当時、大木会長は42歳で、計7人でスタートした。

 大高建設の50年の歩みは、顧客との強固な信頼関係構築の歴史である。今春、「創業50周年感謝の会」を2回に分けて開催、取引先からは「本当に安心して仕事を任せることができる」との賞賛を受けた。3代にわたって取引してきた顧客も存在し、同社が「物流施設の建設といえば大高建設」と呼ばれる地域トップ企業としての実績を積み重ねてきたことがわかる。

 同社の主力事業は、設立時から変わらず鉄骨造、物流施設、生産工場を中心とした産業用建物の建設である。大木会長は岡﨑工業で物流施設・倉庫の設計に約20年携わり、「工夫すればいくらでも改善・改革できる」という現場第一主義の姿勢を会得していた。現場の技術変革に注力し、当時30mが限界とされていた倉庫の幅を50mに延長させる功績を上げた。その技術的な集大成の1つが、「立体トラス工法」であり、これにより75m×200mという大規模な倉庫の建設が容易になった。

 同社の技術力は、日本製鉄・日鉄エンジニアリング(株)との関係にも支えられて根ざしている。同社は、物流関連施設では豊富な実績を有する国内有数の建築工法である日鉄エンジニアリングのシステム建築「スタンパッケージ」のパートナー施工店として実績を重ね、21年に「30年連続優秀賞」を受賞している。

 同工法の活用により従来よりも工期を短縮でき、システム化と合わせて低コスト化を実現している。働き方改革により総労働時間が規制されるなか、比較的大きな物流施設の案件でも13~14カ月で竣工可能という。

若手の定着と
技術の底上げのために

大木孝一郎社長
大木孝一郎社長

    大木会長は一時、会社解散まで考えたほどの難局に直面したが、それを乗り越え事業承継を成功させた。まず長男の大木孝一郎氏が代表取締役社長に就任。そして長年取引のあった日鉄エンジニアリングに役員派遣を依頼したところ、同社九州支社長の任を終えるところであった徳永利美氏が新たな挑戦ができるとして受け入れ、代表取締役副社長に就任した。さらに常務取締役と執行役員2名の派遣も受けた。両社間に資本関係はないにも関わらず、こうした承継が実現したのは、大高建設が積み上げた実績と信頼が評価されてのことだ。

 今後の成長には人材確保と技術部門、施工管理体制の充実が欠かせないが、建設業界全体で技術者不足が深刻化し、スーパーゼネコンとの人材獲得競争が激化している。同社では離職者がほとんどいないこともあって、経験豊富なベテラン職員が多くいるが、今後はスムーズに次代に引き継ぐ体制を構築することも重要な責務となる。

 孝一郎社長は「やる気のある若手社員たちが結集しなければ企業の永続化はありえない」として、社風改善に注力する考えだ。宮﨑賢治常務は「若手が定着できる強固な風土」の構築を目指すと意気込む。

 以前の案件は1件10~20億円規模が最大であったが、現在は30~50億円へと拡大している。徳永副社長は、日鉄エンジニアリングの大きな案件は500億円であり、技術者のレベルは工事現場の規模に左右されるため、現場の受注規模を拡大することが技術者のレベルアップのためにも必要と指摘する。

時代の追い風に乗り
100億円企業へ

大木孝朋会長(左)と大木孝一郎社長
大木孝朋会長(左)と大木孝一郎社長

    現在の好調は、EC市場の拡大や物流戦略の変化など、時代のニーズに合致した同社の取り組みが結実した結果である。幸いなことに、九州北部から熊本にかけて、半導体関連の大型投資が産業用建物の需要を押し上げ、業界は活況を呈し、先述したように同社の受注案件の規模は大型化している。

 業績は近年増収増益を継続しており、25年3月期の売上高は77億円に達し、バブル期の約70億円を超え、過去最高となった。一方で無借金経営を続けているほどの安定した財務基盤を誇る。受注の手持ち状況から見て、26年3月期、27年3月期はさらに売上高を伸ばすことが確実であり、今後4期はこの勢いを持続できるだろう。同社は創業から50年を経て再び存在感を高め、現在いわば黄金期を迎えている。

 しかし孝一郎社長は、過去に急成長後に倒産した建設会社の例を踏まえ、「良い時ほど気をつけろ」という格言を肝に銘じ、慢心することなく一意専心に経営に取り組む。今後も鉄骨、物流、工場を柱とした産業用建物の建設という同社の基本方針は揺るがない。そして技術を磨き核となる事業の基盤を固めることで、50年先も地域に貢献し続ける100年企業への道程を見据えている。


<求人情報>
大高建設(株)

大高建設(株) 求人情報業 種 :総合建設業
職 種 :施工管理職
勤務地 :福岡市博多区上牟田1-29-6
採用担当:宮崎貴司
TEL :092-414-2222
採用ページ:https://www.o-taka.com/recruit/

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