中日間の海上旅客輸送がほぼゼロに近づく

 中国を母港とするクルーズ船の日本路線が大幅に縮小している。中国資本のクルーズ会社やフェリーがすでに日本路線からほぼ撤退したのに続き、外資系クルーズ会社も追随。中国発の日本寄港クルーズが激減し、中日間の海上旅客輸送は事実上「脱カップリング」状態に近づいている。2025年12月11日、地中海クルーズ(MSC)の「MSC ベリッシマ」は26年第1四半期の路線変更を発表。もともと予定されていた9本の日本路線のうち6本を韓国寄港に変更し、同四半期の日本寄港はわずか3回のみにとどまる。

 同様に、12月9日にはロイヤル・カリビアンも2026年1~4月の路線変更を公表。もともとの20本の日本路線のうち13本を韓国に振り替え、日本寄港は7本のみで、その大半が4月集中となっている。

 クルーズ業界関係者によると、残された一部の日本路線は、すでに日本行きを購入した乗客が振り替え可能なように配慮したものだという。「日本は中国のクルーズ旅客にとって主要目的地であり、客の半数近くを占めていた。多くの旅客が韓国行きを受け入れないため、全額返金はコストが高すぎる。振り替えがバランスの取れた対応策」と指摘する。

 中国資本のクルーズ会社の日本撤退はより徹底的だ。中日国際輪渡有限公司は中日間の定期旅客輸送を停止し、既存路線は貨物輸送のみに切り替えた。同社は1985年に設立された中日合弁企業で、旗艦の「鑑真号」は日中国交正常化後初の旅客船として 「中日友好の船」と呼ばれていた。2025年7月にコロナ中断後の旅客運航を再開したばかりだったが、今回停止に追い込まれた。

 11月28日には、中国資本の愛達クルーズが先陣を切り、2025年末から2026年第1四半期の日本路線をすべてキャンセルし、目的地を韓国に変更。以降、星旅遠洋クルーズ、天津東方国際クルーズなどの中国資本会社も次々と日本路線を修正。招商局維京クルーズの「イードゥン号」は2026年上半期を欧州中心に運用し、アジアからは撤退している。これにより、中国資本のクルーズ船はすべて日本路線から事実上退出したかたちだ。

 日本は中国クルーズ観光の最大目的地で、旅客シェアのほぼ半分を占め、とくに広東以北の地域では60~70%に達していた。日本路線のキャンセルはクルーズ会社にとって大きな損失だ。そのため、各社は韓国路線を強化し、割引キャンペーンや商品アップグレードで「価格で量を補う」戦略を展開している。

 12月12日、ロイヤル・カリビアンは「ファミリールーム買一免三(1部屋予約すると3部屋オマケ)」や「ダブルルーム買一免一」などのプロモーションを打ち出し、4泊5日の韓国路線を1人あたり2,000元(約4万円)以内に抑え、50米ドルの船内クレジットをプレゼント。地中海クルーズも同様のキャンペーンで同路線を2,000元前後に値下げした。

 中国資本の愛達クルーズはさらに積極的で、4泊5日韓国路線を1人あたり1,800元前後に設定し、600元の船内クレジットまたは200元の割引クーポンを提供している。2026年第1四半期以降も日中関係が改善せず日本路線が回復しなければ、中国母港クルーズの総旅客数は明らかな減少が見込まれ、各港湾都市の国際クルーズターミナル建設も大幅に遅れる可能性が高い。


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