二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語(44)LCIFではなく「337-A地区」資金が使われ

世界的な奉仕団体である『ライオンズクラブ』。その慈善運動は社会的に広く認知されている。ところがライオンズクラブの複数の会員から「福岡地区=337-A地区には問題がある」との情報が入ってきた。本来国際奉仕団体としての活動は名誉栄達ではなく、純粋な社会貢献にある。

ライオンズ国際協会337-A地区元ガバナー
二場安之氏

LCIF理事長は、LCIF資金活用を示唆

 連載(42)でライオンズクラブ「337-A地区」が、2017年7月の水害で被災した朝倉市立松末小学校体育館の床改修工事の支援を行った際、「337-A地区」から支払われた支援金の流れに対する疑義についてお伝えした。

 改めてことの経緯を述べておきたい。

 17年7月の九州北部豪雨は、朝倉市に甚大な被害をもたらした。松末小学校のある地域も土砂や流木によって壊滅状態となった。同校校舎および体育館などの各施設も崩壊し、校庭にあった相撲場は土俵もろとも跡形もなく流され、夏休みが明けた生徒たちは、仮設校舎で授業を受けていた。

 そこで(公財)朝倉青年会議所の有志をはじめ、地域の方々の献身的な復旧活動により、朝倉市立松末小学校に山積した土砂や流木などが除去された。しかし、予算的な限界があり、同校のすべての施設や設備が改修・改装されたわけではなかった。

 朝倉市立松末小学校は、1874(明治7)年に開校し140年以上の歴史を持つ伝統ある学校だが、2018年3月の廃校が豪雨被害を受ける前から決定していた。

 同小学校の地域住民などから「小学校最後の卒業生をきれいな床の体育館で送り出してあげたい」とする要望があったものの、同市では予算の執行が行えないということから「337-A地区」がひと肌脱ぎ、床工事代金を全額支援している。

 ここまでは美談だが、「337-A地区」の支援金が交付された経緯には前段がある。複数のライオンズ関係者は「337-A地区」の資金ではなく、LCIF(Lions Clubs International Foundation:ライオンズクラブ国際財団)の資金が使われる予定であったと語る。

 LCIFは1968年6月13日にライオンズクラブ国際協会の慈善部門として設立された。LCIFは人道奉仕活動、災害援助、職業技術訓練などの事業を通じて、地域社会やグローバルな社会奉仕に取り組む各国のライオンズクラブを支えており、活動交付金として資金を拠出している。

 日本においても、2011年の東日本大震災での支援のほか、九州北部豪雨災害の前年、16年4月に発生した熊本地震の際もLCIFの交付金が、総額で3億9,537万円交付されている。地元「337-E地区」を中心に被災地支援活動が展開されたが、交付金のうち益城町立学校給食センターの再建資金に約3億7,000万円と、LCIF交付金の大半が充てられた。

 給食センター再建資金での交付金活用の経緯は、「多くの子どもたちが温かい給食を食べられるように」という熊本ライオンズクラブの提案が「337-E地区」全体の取り組みとなり、事業規模の大きさからLCIFに交付金を申請したという。交付金を活用して給食配送用のトラックなどが購入された。

交付金を活用して購入された給食配送用トラック
交付金を活用して購入された給食配送用トラック

 朝倉の場合も、熊本地震と同様の災害支援であり、ライオンズクラブ活動の柱の1つである青少年支援活動でもあることから、LCIF交付金を活用することも考えられた。

 水害発生から約2カ月後の17年9月、LCIFのボブ・コーリュー理事長が来日し、朝倉の被災地を訪問している。

2017年9月7日 朝倉を視察するLCIF ボブ・コーリュー理事長
2017年9月7日 朝倉を視察するLCIF ボブ・コーリュー理事長

 ボブ・コーリュー理事長は災害状況を視察し、当時の状況について関係者に質問、説明を熱心に聞いていたという。そして、被災した方々に温かな労いの言葉を送っている。

 松末小学校も訪問したボブ・コーリュー理事長は、同校の惨状を目の当たりにし「被災地の復興にできる限り協力させていただく」と表明している。ライオンズ関係者によると、ボブ・コーリュー理事長が述べた「協力」とは同校の建物、校庭および施設などの復旧・改修工事の支援も含まれている。つまり、LCIFの財源を活用することが「内定した」と受け止められた。

 ところが、最終的に337-A地区の対策本部はLCIFではなく、「337-A地区」の資金を充てることを決定した。地元「337-A地区」による支援自体は評価されるものだが、なぜLCIFの資金ではなかったのか。

業者選定は随意契約で行われた

 施工業者や地元朝倉市の対応にも不可解な点がいくつもあった。ライオンズクラブ「337-A地区」から寄贈された松末小学校体育館への床改修工事を施工したとされる企業は、LC-337A地区から「発注された」同校体育館の床改修工事とともに、朝倉市より同工事に関わる建具工事を随意契約にて受注している。

 この随意契約の理由について、朝倉市の「入札結果速報」では以下のように述べられている。
入札結果速報

入札結果速報
入札結果速報

 「豪雨災害により被災した松末小学校屋内運動場は、現在、ライオンズクラブ国際協会による支援の下、平成30年3月に実施される卒業式・閉校式に向けた床面の復旧工事が進められている。この床工事は屋内運動場内全面に及ぶもので、○○○(床改修工事を施工したとされる企業名)を中心に進められており、建具改修工事は、この床工事との緊密な施工調整を図りながら進めて行く必要がある。よって、地方自治法施行令第167条の2第1項第6号の適用により、○○○(同上記企業名)との随意契約としたい」と明記している。

 いうまでもないがライオンズクラブ「337-A地区」が同校体育館の床改修工事に名乗りを上げ、支援したのは『We Serve』(私たちは奉仕する)に基づいた崇高な行動だ。

 一方、どのような過程でライオンズクラブ「337-A地区」が支援することになったのか、また工事の施工企業が決まった過程や理由については明らかになっていない。

(つづく)

【近藤将勝】

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