2022年08月11日( 木 )
by データ・マックス

地元を見守り新しい住宅の形を創造するプロモーター

(株)キユーハウ 代表取締役社長 岩永 彬

気持ちを共有することが大事

kyuhau (株)キユーハウは、その前身となる福岡ベニヤ商会の頃まで含めると、実に50年以上の社歴を誇る県内屈指の建材販売会社である。その舵を取り仕切るのは、まだ若い代表取締役社長の岩永彬氏である。岩永社長は住宅向け建材の販売、住宅向け設備(照明・システムキッチン他)の販売、その他屋根・外壁工事まで請け負い、住環境の充実に努めてきた。もちろん、ただ業務をこなしてきたわけではない。同社が仕事に取り組むうえで必ず取り入れるよう心がけている『視点』が3つある。1つ目は『住まう人』の視点。2つ目が『企業倫理(コンプライアンス)』の視点。そして3つ目であり、福岡を拠点とする同社の地元愛が感じられる『地域主義』の視点である。

 同社はこの3つを常に意識し、仕事に誠実に取り組んできた。だからこそ地元の支持を集め、今では福岡だけでなく、九州一円に8カ所の営業拠点を置いている。

 岩永社長は、これだけで満足しない。かつて福岡の市場において言われていた「分譲物件は売れない」との固定概念を、他県からの新規参入業者が呆気なく覆してしまった現実を目の当たりにした経験があるからだ。岩永社長は現状に満足せず、常に新たな取り組みを模索している。

 その実例の1つが、『プレカット』(=建材の事前加工)の導入だ。当時はまだ耳に馴染みのなかったこの加工サービスを、岩永社長はいち早く取り入れた。サービス開始当初は、現場の大工からは良い顔をされなかった自分たちの仕事を1つ取られたと思われたのだ。だが、現在では作業効率のアップに役立っており、現場からも喜ばれている。導入し軌道に乗りつつあるプレカット技術をさらに幅広く提供していくため、昨年、グループ会社である九州ハウジング(株)のプレカット工場に、国内最大級の『大断面加工機』(全長12mにまで対応)を導入。これまでのプレカットでは対応できなかった、大型物件(幼稚園、学校等)へのニーズに応えられるよう体制を整えたかたちだ。同社が掲げる『3つの視点』からくる地元住宅・非住宅への貢献意識があればこその、設備投資である。

未来の福岡絵図を描き出す

 岩永社長は、技術面からの後方支援だけでなく、建築業界が抱える問題意識も広く共有し、自ら考えをめぐらせている。なかでも大きな問題となっているのが、人材確保の問題である。岩永社長は若い人の現場離れを、「興味があったとしても、若い人はどこに行って学べばいいのかわからないですからね」と、かつてあった『弟子入り』制度や、あるいは専門学校の充実など、その門戸の狭さにも要因があると指摘する。

 また、同社自身の後継者問題にも触れ、「最近の若い人は、(ミスを指摘してあげた際)『教えてくれてありがとうございます』と、挨拶はよくしてくれますから、表面上はすごく礼儀正しく見えます。けれど、次の瞬間にはもう指摘されたミスを忘れて同じ失敗を繰り返したりしていて、何というか『挨拶がただの合図』になってしまっているような気がします」と振り返ったうえで、「取り巻く環境のせいばかりでなく、若い世代自身にももっと『気概』を持ってほしいですね」と語った。地元住環境の発展に尽力してきた同社。岩永社長に今後の展開について尋ねてみたところ、「興味があるのはCLTですね」と答えてくれた。

 CLTとは、大判の板をそのまま壁面として利用する工法であり、現在、ヨーロッパを中心に市場で注目を浴びている。利点としては寸法安定性の高さ、そして木材の厚みからくる断熱・遮音・耐火性、そして環境性へのアピールである。ただし、実際のコスト面と現段階での日本国内需要とのバランスを考えれば難しいと、岩永社長は語る。
 それでも若き経営者の頭のなかにはもう、地元福岡を彩る新たな住宅街の絵が広がっている。

<COMPANY INFORMATION>
(株)キユーハウ
代 表:岩永 彬
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭4-3-4
設 立:1961年4月
資本金:4,500万円
TEL:092-631-3781
URL:http://www.kyu-hou.co.jp/

<プロフィール>
iwanaga岩永 彬(いわなが あきら)
福岡県出身。1961年設立の(株)ベニヤ商会を前身とする(株)キユーハウを、2001年に父である前代表岩永清氏より引き継ぎ、代表取締役社長に。2年に1度、ヤフードームで全社員を迎えてのソフトボール大会を実施するなど、剛気な面も持ち合わせている。

 

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