立憲・古賀氏の「自衛隊は経済的に厳しい子が行く」発言を日教組出身地方議員が批判

古賀千景参議院議員
古賀千景参議院議員

    立憲民主党の古賀千景参議院議員が、自衛隊への志望理由に経済的な事情があると発言したことが大きな問題となっている。古賀氏は発言直後に撤回、謝罪したが、与野党から批判が続出し、自衛隊出身の地方議員から抗議文が出されるなど批判の声が高まっている。立憲は16日、古賀氏を厳重注意し、参議院文教科学委員会の筆頭理事の職を解く処分を決めた。

 当該発言は15日の参議院決算委員会の質疑のなかでのもの。元小学校教諭で日教組中央執行委員も経験した古賀氏は、児童・生徒向けに自衛隊の活動などを解説した冊子「まるわかり!日本の防衛」について質問する際、「経済的に厳しい子どもたちが自衛隊に行く。豊かな子どもたちはなりませんよ」と持論を展開。小泉進次郎防衛相はその場で古賀氏に抗議し、古賀氏は「申し訳ない」と謝罪した。

 古賀氏は、福岡県久留米市出身で、福岡県内の小中学校で教師として勤務した。2003年に福岡県教職員組合講師連絡会のメンバー・結成準備世話人を務め、臨時採用教職員の組合結成に取り組み、09年に福岡県教職員組合臨時採用教職員部長、18年に日本教職員組合専門委員、20年に同特別中央執行委員などを歴任した。

 立憲民主党の水岡俊一代表は17日の党会合で、古賀氏の発言について謝罪し「自衛官や家族、関係者の心情に配慮を欠くものだ。党の代表として責任を深く感じている。深くおわびする」と述べた。水岡氏も兵庫県内の中学校教諭で、在職中から教職員組合活動に取り組み兵庫県教職員組合本部書記次長、日教組中央執行委員長などを歴任してきた。現在は日教組の政治組織である日本教職員政治連盟(日政連)の会長として、教職員の処遇改善や教育現場の環境改善を訴えている立場にある。

 日教組は、長く文部行政と対峙し、1960年代から80年代にかけて全国でのストライキや実力行使をともなう各種闘争、国旗国歌反対などの政治的な運動も展開してきた。95年に自民党と社会党の連立による村山政権が発足した際に、福岡県教職員組合出身の横山英一日教組委員長と与謝野馨文部大臣(いずれも当時)が会談し、歴史的和解と呼ばれた。

 現在も思想的にジェンダー平等教育や平和教育に熱心でリベラル左派色が強いが、福岡県内を含めてかつてのような運動は沈静化した。ただ、古賀氏も在籍した福岡県教職員組合は伝統的に反戦平和運動に取り組んだ経緯もあり、自衛隊や安全保障政策を否定的に考える組合員が少なくないことは事実である。

 日教組加盟の教職員の教え子にも自衛隊員も少なくないはずだが、今回の発言は思想に基づく本音を、口を滑らしてしまったように受け止められている。反発が広がっているのは、古賀氏のバックボーンである日教組に対する批判が根強いことだろう。

 しかし、日教組の支援を受け、自身も福岡県内の公立学校に勤務した現職のある地方議員は、「決して自衛隊に偏見をもっているわけではない」としたうえで、次のようなコメントを記者にメールで回答してきた。以下の通り全文をご紹介したい。

 50〜60年前の私の高校時代には、家庭の経済的理由から防衛大学に進学したり、自衛隊に入隊した友人は確かに1〜3人いたと記憶しています。
 しかし、今や時代は変わり、奨学金制度もある中で、経済的理由で入隊するという「ひと括り」の考えは適当ではないと思います(皆無でないかも知れませんが)。
 でも、教員が旧態依然とした意識でいるとしたら問題です。
 当然、教員全てが、そのように考えているわけではないことはご理解いただきたいと思います。自衛隊員とそのご家族に対して、不適切で偏見を生み出す発言で、とても残念です。

【近藤将勝】

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