蔵内前福岡県議会議長、会見で金銭授受を改めて否定~蔵内忖度の県政記者クラブの体たらく

 福岡県政界のドンと呼ばれた蔵内勇夫前県議会議長が5日、議員辞職後初となる会見を福岡市内のホテルで行った。

 当社の取材で、蔵内氏側が福岡県政記者クラブ加盟社以外の参加を認めず、会場や時間などを秘匿することをクラブ側に要求していたことがわかった。複数のクラブ加盟社の関係者によると、幹事社が、深夜まで「加盟社以外の参加を認めるよう交渉を行った」が認めず、警備上の理由で会場を明らかにすることも禁じられていた。

会見会場入り口に設置された看板
会見会場入り口に設置された看板

    会見前、会場周辺は警備が厳重に行われていた。会見が始まる直前に会見場などが判明し、記者らは雷雨のなか会場へ向かった。

 当初は一切のライブ配信も認めないとしていたが、会見冒頭から15分間、九州朝日放送やテレビ西日本などが蔵内氏の発表内容を読み上げる姿を配信した。

 このなかで一連の正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑について、「これまで何度も申し上げましたが、私自身について指摘されている金銭授受についてはそのような事実はございません」と改めて否定し、「第三者委員会などで明らかにしていただきたい」と語った。

 金銭授受疑惑は、自民だけでなく民主系からも正副議長就任前の金銭の支払いの証言が出ている。7月に吉松源昭、江藤秀之両県議が、蔵内氏ら当時の自民党県議団幹部に約2,700万円を支払ったと主張。先月は、元議長で、県連幹事長も務めた樋口明県議が、自民党幹部らにゴルフ代や飲食費など約600万円を支払ったことを会見で証言したほか、旧民主党出身で元副議長の新村雅彦元県議は、蔵内氏に福岡市内の料亭で500万円を手渡したと証言した。

 このほかにも、農林水産委員長を務めた井上正文県議が、自民党幹部のゴルフ代などを負担したと証言し、当時の幹部である原口剣生・松尾統章両県議らがゴルフ会の会費未払いを認めるなど波紋が広がっている。

 これらの証言の事実関係は今後、第三者委員会や百条委員会で調査・検証が行われるが、記者会見ではこれらの証言に関する質問が行われたという。

 取材した各社は夕方以降に会見の模様をニュースやYouTubeにて発信するようだが、当初より幾分押し返したとはいえ、6月の蔵内氏の会見で当時クラブ幹事社を務めた朝日新聞の記者からの「未加盟社やフリーの参加を認めてほしい」との要望に蔵内氏は「検討します」と回答しながら、今回も参加を認めなかった。当社以外にも、週刊誌や赤旗、フリージャーナリストの横田一氏らが会見への参加を希望しており、横田氏は蔵内事務所に会見参加の要望書を送付していたが、回答はなかったという。

 終了予定時間をやや超過した午後0時40分ごろ、蔵内氏は退出し、足早に会場を後にした。

警護に守られて会場を後にする蔵内勇夫氏
警護に守られて会場を後にする蔵内勇夫氏

    記者団からの「蔵内さん、かなり時間も限られましたが、これ以上説明の場を設けないのか」との問いには一切答えなかった。記者は、その場にいたクラブの記者らに「あなた方が悪い。(蔵内氏の加盟社以外の参加不許可など)要求を飲んだから。茶番」と抗議したが、クラブ側としても満足のいく会見内容ではなかったようだ。

蔵内氏を囲む記者団
蔵内氏を囲む記者団

 もっとも、あれやこれやと制限をかけた蔵内氏側に抗議1つできない上に、記者の参加に制限をかけられたことも報じることができない情けない御用記者クラブの現状は憂慮せざるを得ない。

 今回の会見をオープンにしなかったのは、権力者にありがちな情報統制を行ったということだ。一時検討された県議会棟での取材制限も本当に蔵内氏の意向がなかったのかと勘繰りたくなる。蔵内氏は、県民の批判や憂慮する声をどこまで真摯に受け止めているのか、さらに県民・国民の批判が高まることになるだろう。

【近藤将勝】

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