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2016年08月17日 10:03

エネルギーの地産地消を目指す(前) 福岡の未来を創る101社 

(株)アズマ

エネルギーの地産地消を目指す

gaikan 「八女市の規模ならば、エネルギーは地産地消が可能だと考えています。再生可能エネルギーを普及させ、富の市外流出を防ぐことができれば、みんながハッピーになれると思います」。

 こう語るのは八女市に本社を置く(株)アズマの中島一嘉社長だ。1978年、ソーラー、といっても当時は太陽熱を利用した温水器の据え付けや建築板金などを手がける目的でソーラーのアズマとして創業、95年に(有)アズマとして設立された。太陽熱温水器や建築板金の事業を通じて得た技術で99年、太陽光発電設備の施工・販売に参入した。

 創業以来、屋根上の専門家として業績を刻んできた同社は今、太陽光発電を通じて「八女市のみんながハッピーになる仕組みづくり」を模索している。アズマは太陽光発電に固定価格買取制度(FIT)が導入される13年前から取り組んでいるベテラン企業だ。中島社長はFITにより太陽光発電への理解が深まり、また設備価格の低廉化が実現され、これを好機と捉えた。

 「太陽光温水器の設置や建築板金から始めた会社がアズマです。屋根の専門家として、99年から太陽光発電設備に乗り出しました。FITが導入され、日本では一気に太陽光発電が普及しました。私たちの夢は現実のものにできると信じています」(中島社長)。

 中島社長の夢、それは八女市のエネルギー自給自足である。再生可能エネルギーを普及させることで市内の全エネルギーを賄う。その手助けをしたいという考えを持っている。それもメガソーラーのような大規模なものではなく、同社がこれまで取り組んできた屋根上の発電を通じて、市民自身が発電家となって市内のエネルギーを生み出し、市民自身が需要家としてそのエネルギーを活用する。その仕組みこそが「みんなをハッピーにする」方法だと中島社長は語る。

 「八女市は農業が中心の地域です。土地の広さが農産物の生産量に大きく関わります。土地の生産性を活かしつつ、電力を賄うためには、私たちが従来行ってきた屋根上などでの発電方法が最適だと考えています。エネルギーの地産地消というとメガソーラー発電を思い浮かべる方が多いと思いますが、それに頼らなくても八女市は十分、エネルギーを生み出すことができます」(中島社長)。

 八女市は茶どころで有名な、農業中心の都市だ。小麦やみかんなどの柑橘類の栽培が盛んで、市内には田園風景が広がっている。農業と大規模太陽光発電は、ともに土地の広さが重要な生産要素となる。メガソーラーのような大きな施設は農業と土地の活用という面において相性があまり良くないのである。そこで中島社長は従来から取り組んできた屋根上の活用によるエネルギーの地産地消こそが八女市にとって最適な方法だと見出したのである。

 屋根上はいわば遊休資産のようなもの。パネルの設置を行えば発電が可能だ。大規模少数ではなく、小規模多数でエネルギーを生み出すことが市の主幹産業である農業と共生できるエネルギーの地産地消モデルのベースにあるのだ。

 「市内の需要家が自らの電力を自ら生み出す仕組みを積み上げていく仕組みが八女市には最も適したエネルギーの地産地消モデルになると思います。八女市の市内消費電力を賄うためには2万3,000キロワットの発電設備が必要だと試算しました。この電力で市内6万5,000人、2万4,400世帯を賄っています。この電力を太陽光で賄おうとすると、約2km<sup>2</sup>の面積が必要となります。これは八女市の面積の0.4%です。これだけを賄うためには屋根上発電で十分という結論に達しました。余剰電力を販売することもできます。メガソーラーに頼らずとも、屋根上の活用でエネルギーの地産地消は実現できます」(中島社長)。

 再生可能エネルギーでエネルギーの地産地消を実現する。そのためには市民の理解が不可欠だと中島社長は語る。エネルギーを自らの手でつくり、自ら使うことが意味するのは、富の市外流出の防止である。市内にお金がとどまれば、市内に流通するお金が増える。そのお金を消費活動に使えば、波及効果をもって市内の商工業がより潤うことになるのである。これが中島社長の言う「みんながハッピーになる」仕組みなのである。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:中島 一嘉
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
設 立:1995年11月
資本金:300万円
TEL:0943-24-4001
URL:http://www.e-azuma.jp/

<プロフィール>
nakasima_pr中島 一嘉
1969年3月、福岡県八女市生まれ。2003年、(有)アズマの代表取締役に就任。07年に(株)アズマに社名を変更。太陽光発電を通じて八女市のエネルギー自給自足を目指す。趣味は買い物。

 
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