2024年04月24日( 水 )

企業研究・渡辺パイプ(株)~さらなる販路拡大を目指す資材商社の雄(中)

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 全国主要都市に営業拠点を構え、管財商社としてトップクラスの業績を誇る渡辺パイプ(株)。未上場ながら2016年3月期の連結決算で売上高2,464億2,765万円の事業規模を持つ。しかも、地方の管材、電材業者を傘下に加え事業の確立を目指している。九州地区における取り込みも活発化しており、既存の地方業者との競争は激しくなりそうだ。

株式上場は噂の域を出ず

 回復基調にある市況を背景に、同社の業績も好調である。2016年3月期(連結決算)の売上高は2,464億2,765万円を計上。15年3月期と比較すると、売上高は111億7,541万円の増収となったが、販売管理費がかさんだことから営業損益段階で117億8,147万円を計上。当期純利益は76億5,983万円となり、3億7,703万円の減益となった。

 有利子負債は約104億円で圧縮傾向にある。16年3月期では1年以内返済予定長期借入金が約52億円あるものの、短期借入金そのものは計上されていない。03年3月期では売上高の半分に迫る有利子負債を抱えていたが、現在では財務体質の改善が進んでいる。資本金は100億9,918万円。現在の代表取締役は2代目となる渡辺元氏が務め、取締役は専務取締役1名を含む5名体制。そのほかに9名が執行役員として在籍している。株式は持株会社である(株)ワタナベが100%所有。

 同社をめぐる話題のなかで、ことのほか多いのが「いつ上場するのか」という話。同社のような事業規模になると、株式上場という話題がついて回るのは仕方のないことだろう。また同社から、注目を集める発表があった。16年12月に株式を分割し、総数を約30億株としたのだ。
 この株式分割と上場の可能性について同社の東京本社に問い合わせたが、返答は「上場の話は一切ありません」とキッパリしたもの。株式分割の理由については、コメントはなかった。

(つづく)
【道山 憲一】

2016年3月期 財務諸表(連結決算)
※クリックで拡大

<COMPANY INFORMATION>
代 表:渡辺 元
所在地:東京都中央区築地5-6-10
九州支店:福岡県糟屋郡粕屋町仲原2654-1
設 立:1957年4月
資本金:100億9,918万円
売上高:(16/3連結)2,464億2,765万円

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