2024年04月30日( 火 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~私のWBC検証(中)

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 そんなことを考えてのキューバ戦。ロッテの石川投手に先発を任せて試合は11対6という事で第1戦勝利、まずは勝ったという結果を楽しみたいと思いました。ただ、日本の優秀な投手陣が6点を取られたのは少し残念です。これから相手の投手陣も上がってくることを考えると心配な試合内容かな?

 第2戦のオーストラリア戦。日本ベンチはかなり警戒しており、かなり前から今回のチームのエースである菅野投手の先発を決めていたようですね。第2戦の勝利は絶対というポイントを押さえた戦いを見せてくれました。試合はベンチの計算どおり菅野、岡田、千賀、宮西、牧田投手という陣容で1点に抑え込み勝利。これは計算していた勝ち方でしょう。このようにしっかりと守って勝つ野球をしてくれると安心します。このチームは守備のチームだと思うから、忘れずに頑張って欲しいですね。

 第3戦の中国戦は7対1で勝利、武田、藤浪、増井、松井、平野、秋吉のリレーで5安打1点。2回にこれまで色々と批判されていた捕手の小林が本塁打、これは自信になったはずです。もともとデビューした時にはよく打つ選手だったことを思い出しました。中国戦は少しレベルが違うということであまり参考にはならないと思いますが、よくやったといっていいでしょう。むしろ2次ラウンドに気持ちは動きました。

 ヤクルトのバレンティンが中心になって戦っている印象が強いオランダチーム。今年は4番を打ちチームを引っ張っているように見えます。このチームは全員WBCを非常に楽しんでいる印象が強く、前回よりも力は上がってきています。
 ただ、どうしても投手陣の力が少し足りないのがチームとしては不安でしょう。先行、逃げ切り、がなかなかできない。日本チームとしてはここが付け入るところでしょう。粘り強く、守りも、攻撃も進めることで勝利に近づくという印象を持っていたが、試合はやはり8対6というギリギリでの勝利でした。よく8点を取ったと思うと同時に、終盤オランダにいい投手がいれば負けていた試合だったという怖さを感じさせられたチームでした。

 そして、今大会ノーマークだったチームで大暴れしたのが、イスラエルです。こんなに真面目にまっすぐに向かってくるという情報はありませんでした。全員アメリカのマイナーチームの選手だと思いますが体格といい、野球の方法論といい、まだまだ若いという面は見えますが、この次の大会では当たりたくないチームに成長しているのではないでしょうか。まだ野球経験が少なく、その面を突いて8対3で勝利。投手陣が5安打に抑え、打線が13安打で快勝でした

 そして再度キューバとの対戦を迎えました。キューバは過去のオリンピックでの敗戦から学び取った情報が多くあり、研究しているだけに自信を持っているようでした。今回も試合を進める中で何か自分たちの勝利を信じているように感じる試合内容に見えましたが、投手陣の力の差が出ているのでしょうか?試合は8対5で勝利しました。
 キューバ戦での勝利で、今大会5連勝で1次ラウンド、2次ラウンドを乗り切りました。気がつけば初めて無敗で予選を乗り切ったことになります。

(つづく)

 
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