2022年08月18日( 木 )
by データ・マックス

産廃処理費チケット回収騒ぎの真相~和幸商会

 関連2社で一部の役員が私文書偽造などを行い、違法に役員変更、増資を行っていたことが関係者への取材で判明した金隈産廃処分場の法人乗っ取り事件。今回新たにわかったのは、和幸商会が販売した産廃処分費の先払いチケットを突然回収し始めたことによる騒ぎ。その裏には、経営権に関わる真相が隠されていた。

突然届いた「お願い」

 和幸商会から取引先へ送られた1枚の文書がある。2月末に送付されたものだが、内容は和幸商会が販売した産廃処理チケットの回収について、である。産廃処理費用を前もってまとめて納めることでチケットを発行。産廃を持ち込む際はそのチケットを消化するかたちで取引が行われるというもの。

 しかし通知のように、販売した物をわざわざ回収する事自体が不可解である。「紛争の原因となる可能性があり、コンプライアンス上問題が大きいため」としているが、そもそも違法行為の疑いが多発している同社において、コンプライアンス遵守とは理解しがたい。「何が目的なのか」――関係者への取材により、チケット回収の真相がみえてきた。

ご連絡(お願い)

 

クリーン金隈増資の議事録

 

和幸商会増資の議事録

 

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チケット販売で資金調達

 話は昨年11月に遡る。乗っ取りの首謀者といわれる柏田清光氏が和幸商会に出入りするようになった。同月、福岡市からの改善命令が解除されることで、かつての取引業者も戻ってくる。そして、柏田氏が県外から前職からの取引先を引っ張ることで、顧客は増える。そこで必要となるのは、運転資金である。

 金融機関からの融資が望めない和幸商会は取引先に相談した。そこで実行されたのが、産廃処分費前払いチケットの売買だった。チケットを販売することで、資金調達を行うというもの。2017年11月14日、和幸商会はA社と前払いチケットの売買契約を交わし、現金を調達。同時に、保証のため関連2社の全株式をA社に譲渡し、担保としたうえで、株主である吉岡直之氏の個人保証も付けたのだ。その後、今年に入り一連の乗っ取り行為が行われたのである。

 販売したチケットを回収するということは、せっかく資金調達した金を返すことになる。しかし実は資金調達は同じ2月にも行われていた。2月7日に和幸商会、2月13日にクリーン金隈の増資が株主の知らぬところで行われていたのは既報の通りだ。違法行為だが、新たに出資者を募り、資金調達に成功した。

 ところが、上述のように正式な全株式はチケット販売の契約でA社に譲渡担保していた。このままでは、経営に口を出されかねない。そこで乗っ取り経営陣は株式を取り返そうとした。チケットを回収してしまえば、譲渡担保した株式も戻ってくると考えたのだろう。それがこの文書通知の真相である。

 さて、この通知にチケット購入者が同意できるワケがない。3月某日、チケット購入者ら数名が和幸商会に集まった。もちろん通知の説明を求めるためだ。箭内氏、柏田氏の納得しがたい説明に、その場は一時紛糾。結局、回収騒ぎだけで事態は変わらず、乗っ取り経営陣の目論みは泡と消えた。

3月某日、産廃処分場に集まるチケット購入者

【東城 洋平】

▼関連リンク
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